業務用冷蔵庫や製氷機、食器洗浄機などの厨房機器は、大型で重量があるため、自分で店舗から運び出して買取店へ持ち込むのは現実的ではないことがあります。
そのようなときに利用できるのが厨房機器の出張買取です。
買取会社のスタッフが店舗へ訪問し、現物を査定したうえで、条件が合えば取り外し・搬出まで行います。
ただし、「出張買取」と書かれていても、どこまで無料なのか、取り外し・搬出費を誰が負担するのか、査定日と回収日が同日なのかなどは会社によって異なります。
確認したいのは買取額だけではなく、店舗から機器がなくなるまでに自社が最終的にいくら受け取るのか、または追加でいくら支払うのかです。
この記事では、厨房機器の出張買取について、問い合わせから訪問査定、取り外し、搬出、支払いまでの流れと、依頼前に確認したい項目を整理します。
厨房機器そのものの査定基準については、厨房機器の査定は何を見る?をご覧ください。
厨房機器の出張買取とは
厨房機器の出張買取とは、買取会社が店舗・事業所まで訪問し、その場で厨房機器の状態や搬出条件を確認して買い取る方法です。
対象になりやすいものには、例えば、
- 業務用冷蔵庫・冷凍庫
- コールドテーブル
- 製氷機
- 食器洗浄機
- スチームコンベクションオーブン
- フライヤー
- ガスレンジ
- 冷蔵・冷凍ショーケース
- 製麺機
- 券売機
などがあります。
閉店店舗では一台だけではなく、厨房一式をまとめて査定・搬出してもらうこともあります。
出張買取が向いているケース
特に出張買取を利用しやすいのは、次のようなケースです。
- 大型厨房機器がある
- 厨房機器が複数台ある
- 店舗を閉店する
- 自社で搬出車両を用意できない
- 階段・エレベーターなど搬出条件を事前に確認してほしい
- 買取品と処分品が混在している
- 原状回復工事と搬出日を調整したい
一方、小型機器一台だけであれば、写真査定や持込買取の方が適している場合もあります。
厨房機器の出張買取の流れ
一般的には、次のような順番で進みます。
- 電話・フォーム・LINE等で問い合わせる
- 機器情報・写真を送る
- 概算査定を受ける
- 訪問日時を決める
- 現地査定を受ける
- 最終買取条件を確認する
- 取り外し・搬出・支払いを行う
1.電話・フォーム・LINE等で問い合わせる
最初の問い合わせでは、分かる範囲で次の情報を伝えます。
- 店舗所在地
- 閉店・移転予定日
- 厨房機器の種類
- 台数
- メーカー
- 型式
- 製造年
- 現在の使用状況
- 搬出希望日
機器が多数ある場合は、一台ずつ電話で説明するより一覧表と写真をまとめて送った方が進めやすくなります。
2.厨房機器の写真を送る
訪問前に写真を送ることで、そもそも買取対象になりそうか、概算がどの程度かを確認できる場合があります。
写真では、
- 機器全体
- 銘板・型式
- 内部
- 傷・サビ・破損
- 設置状況
- 厨房全体
を撮影します。
搬出経路も送る
出張買取では厨房機器の価値だけでなく、店舗からどう運び出すかも重要です。
大型機器がある場合は、
- 店舗入口
- 厨房から入口までの通路
- 階段
- エレベーター
- 段差
- 搬出車両を停められる場所
も写真や動画で伝えておくと、当日になって搬出条件が変わるリスクを減らせます。
3.概算査定を受ける
写真・型式・年式などから、訪問前に概算査定を提示する会社があります。
ここで重要なのは、その金額が、
- 確定買取額なのか
- 現地確認前の概算なのか
- 搬出費込みなのか
- 取り外し費込みなのか
を確認することです。
「概算50万円」と聞いて50万円を受け取れる前提で閉店資金へ組み込むのは避けます。
4.訪問日時を決める
概算条件が合えば、現地査定の日程を決めます。
閉店店舗では、
- 最終営業日前
- 閉店後
- 原状回復工事前
のどこで査定するかを考えます。
動作確認するならライフライン停止前
業務用冷蔵庫や製氷機などの動作確認を行う場合、電気・水道等が止まっていると確認できないことがあります。
売却を予定している厨房機器については、査定・動作確認が済む前にライフラインを停止しない方がよい場合があります。
営業中なら営業時間外も検討する
店舗をまだ営業している場合、査定スタッフが厨房へ入ると営業に影響することがあります。
開店前、閉店後、定休日などに訪問してもらえるか確認します。
5.現地査定で確認されること
現地査定では、写真だけでは確認できなかった状態を確認します。
例えば、
- 実機の型式・年式
- 動作状態
- 傷・サビ・腐食
- 付属品
- 設置方法
- 給排水・電気・ガスとの接続
- 搬出経路
- 搬出に必要な人数・機材
などです。
厨房機器が多数ある場合は、買取できるものと、買取できないものをその場で分けることもあります。
6.最終買取条件を確認する
現地査定後に金額が提示されたら、買取価格だけでなく作業条件を確認します。
最低限、次の7項目を確認します。
- 査定料・出張料
- 取り外し費
- 搬出費
- 深夜・早朝・休日対応費
- 養生・申請・特殊搬出費
- 買取不可品の撤去・処分費
- 支払い時期・キャンセル条件
1.査定料・出張料
無料出張査定を行う会社はありますが、すべての会社・地域・案件で無料とは限りません。
例えば、
- 対応エリア外
- 査定対象が少ない
- 遠方
- 特殊な日時指定
などで条件が変わる可能性があります。
訪問依頼を確定する前に、出張費が発生する条件を確認します。
2.取り外し費
厨房機器は、店舗に置いてあるだけとは限りません。
例えば、
- 給排水ホース
- ガス管
- 電源
- ダクト
- 固定金具
などが接続されています。
どこまで買取会社が取り外し、どこから原状回復会社が処理するのか確認します。
特にガス・給排水・電気設備について、機器を外した後の閉栓や復旧まで含まれるとは限りません。
3.搬出費
大型厨房機器では、搬出作業が買取条件へ大きく影響します。
例えば、
- 1階路面店
- 地下店舗
- 2階以上でエレベーターなし
- 狭い階段
- 入口より機器が大きい
では作業難易度が違います。
「買取額20万円」と「搬出後に20万円受け取れる」は同じとは限りません。
搬出費の詳細はART-229で扱います。
4.深夜・早朝・休日対応費
商業施設や営業中の店舗では、通常時間帯に大型機器を搬出できないことがあります。
例えば、
- 閉館後のみ
- 深夜のみ
- 開店前のみ
- 指定された曜日のみ
といった条件です。
出張買取会社によっては時間外搬出へ対応できますが、追加費用の有無を事前に確認します。
5.養生・申請・特殊搬出費
大型ビルや商業施設では、厨房から機器を持ち出すだけでも施設側のルールがあります。
例えば、
- 共用部養生
- エレベーター養生
- 搬出申請
- 作業員名簿提出
- 搬出車両申請
- 警備員立会い
などです。
また、通常の搬出ができなければクレーン等が必要になる場合もあります。
誰が施設との調整を行うのか、追加費用が発生するのか確認します。
6.買取不可品の撤去・処分費
閉店時に厨房一式を査定すると、すべてに値段が付くとは限りません。
例えば、
- 冷蔵庫:買取
- 製氷機:買取
- 古い作業台:無料引取
- 故障設備:処分費が必要
ということがあります。
買取会社が不用品回収まで対応する場合でも、無料とは限りません。
買取額から処分費を相殺した結果、最終的に支払いが必要になるケースも考えられます。
7.支払い時期・キャンセル条件
支払い方法も会社によって異なります。
例えば、
- 搬出時に現金
- 搬出完了後に振込
- 動作確認後に振込
などがあります。
閉店資金へ組み込む場合は、金額だけでなく入金予定日まで確認します。
現地査定後に断れるか確認する
出張査定を依頼したからといって、提示された金額で必ず売らなければならないとは限りません。
ただし、
- キャンセル料
- 出張費
- 当日キャンセル
- 作業車両・人員手配後のキャンセル
については会社ごとに条件が異なる可能性があります。
依頼確定前に確認します。
7.取り外し・搬出を行う
買取条件に同意したら、厨房機器を搬出します。
査定と搬出を同日に行う会社もあれば、査定後に別日でトラック・作業員を手配する会社もあります。
閉店案件では、原状回復工事との工程を合わせます。
厨房機器搬出を原状回復より前にする
売却する厨房機器が決まっている場合、通常は原状回復会社が厨房を解体・処分する前に搬出します。
先に原状回復業者へ厨房設備の撤去処分を正式発注すると、買取対象機器との切り分けが必要になります。
閉店時の厨房機器売却全体については、飲食店の閉店で厨房機器は買取できる?をご覧ください。
機器を搬出した後に何が残るか確認する
厨房機器を売却しても、物件がそのまま返せる状態になるとは限りません。
例えば冷蔵庫を撤去した後に、
- 給排水設備
- 電源配線
- ガス配管
- 固定金具
- 床のアンカー
などが残る場合があります。
それらを誰が撤去・閉栓・補修するのか、原状回復会社と役割分担します。
商業施設・大型ビルは管理会社へ先に確認する
商業施設内の飲食店では、買取会社が自由に入って大型機器を運び出せない場合があります。
出張買取を予約する前に、施設管理会社へ、
- 搬出可能時間
- 作業申請期限
- 養生方法
- 搬出経路
- 使用可能なエレベーター
- 車両停車場所
を確認します。
階段・地下・高所では事前申告する
現地に来てから、
「実は地下2階で階段しかありません」
と分かると、その日の搬出ができない可能性があります。
重量物では必要人数や機材が変わるため、問い合わせ段階で伝えます。
クレーンが必要な可能性がある機器
店舗へ搬入した後に壁やカウンターを作っている場合、現在の出入口から機器を出せないことがあります。
また、大型設備や高所設置ではクレーン等を検討するケースもあります。
特殊搬出が必要な場合、査定額以上に作業費が重要になるため、現地確認後の総額で判断します。
「出張無料」「査定無料」だけで業者を選ばない
無料査定は利用しやすいサービスですが、閉店案件で重要なのは最終的に店舗から機器がなくなるまでの条件です。
比較するなら、
- 査定額
- 取り外し費
- 搬出費
- 時間外料金
- 養生・申請対応
- 買取不可品の処理費
- 支払時期
まで揃えます。
出張買取会社を比較するときの例
例えば、
A社
買取40万円、搬出費込み
B社
買取50万円、搬出費8万円、深夜対応費5万円
なら、表示された買取額だけではB社が有利とは言えません。
実際の受取額と、原状回復工程に合う日程まで確認します。
厨房機器が多数あるなら一括出張査定を使う
閉店店舗で厨房機器が多い場合、一台ずつ別の買取会社へ依頼すると、
- 査定対応
- 搬出日程
- 原状回復工程
が複雑になります。
厨房一式を査定してもらい、その中で高価値の機器だけ個別条件を確認する方法もあります。
高価値の機器は査定内訳を確認する
一式50万円という査定の場合でも、比較的新しい大型冷蔵庫や製氷機などが含まれているなら、どの機器をいくらで評価しているか確認してもよいでしょう。
一括査定の利便性と、個別機器の評価の両方を見るためです。
一点だけでも出張買取できる場合がある
大型の業務用冷蔵庫などであれば、一点でも出張対象になる会社があります。
ただし、
- 地域
- 機種
- 年式
- 想定買取額
- 搬出条件
によって対応可否が変わるため、型式と設置状況を伝えて確認します。
出張買取前のチェックリスト
- 買取対象機器の所有者を確認した
- メーカー・型式・年式を確認した
- 写真を用意した
- 動作確認できる状態にしている
- 搬出経路を撮影した
- 階段・エレベーター条件を伝えた
- 商業施設の搬出ルールを確認した
- 査定料・出張料を確認した
- 取り外し・搬出費を確認した
- 時間外料金を確認した
- 買取不可品の処理条件を確認した
- 支払時期を確認した
- キャンセル条件を確認した
- 原状回復会社と日程を調整した
厨房機器の出張買取についてよくある質問
厨房機器の出張買取は無料ですか?
無料査定・無料出張を行う会社はありますが、すべての地域・案件で一律無料とは限りません。対応地域、機器数、特殊作業などの条件を確認してください。
現地査定後に売るのを断ってもよいですか?
対応は会社によります。査定のみでキャンセル可能な会社もありますが、出張費や当日キャンセル条件などを事前に確認してください。
査定と搬出を同じ日にできますか?
可能な会社もあります。一方、大型機器や大量買取では、査定後にトラック・人員・機材を手配して別日に搬出する場合があります。
階段しかない店舗でも買取できますか?
対応できる場合がありますが、機器重量、階段幅、必要人数などによって作業条件が変わります。事前に写真や寸法を伝えてください。
深夜・早朝でも搬出できますか?
時間外作業へ対応する会社があります。ただし追加料金の有無や対応可能時間は会社によって異なります。
クレーンが必要でも買取できますか?
特殊搬出へ対応できる会社もあります。クレーン費用などが発生する可能性があるため、機器価値と作業費を含めた最終条件で判断します。
買取できない厨房機器も持っていってもらえますか?
不用品撤去まで対応する会社がありますが、買取不可品は処分費が必要になる場合があります。買取と廃棄を明確に分けて見積を確認してください。
その場で現金を受け取れますか?
現金支払いに対応する会社もあれば、搬出後や動作確認後に振込する会社もあります。閉店資金へ入れる場合は支払方法と時期を確認してください。
出張買取は「買取額」ではなく搬出完了までの条件で比較する
厨房機器の出張買取では、
- 機器情報・写真を送る
- 概算査定を確認する
- 現地査定を受ける
- 最終買取条件を確認する
- 取り外し・搬出を行う
- 代金を受け取る
という流れで進みます。
その中で特に確認したいのは、
- 査定料・出張料
- 取り外し費
- 搬出費
- 時間外料金
- 養生・特殊搬出費
- 買取不可品の処分費
- 支払い・キャンセル条件
です。
表示された買取額が最も高い会社ではなく、店舗から厨房機器を撤去した後に最も条件がよい会社を比較します。
厨房機器の査定基準については、厨房機器の査定は何を見る?をご覧ください。
閉店時の厨房機器売却全体については、飲食店の閉店で厨房機器は買取できる?で整理しています。
厨房機器・店舗什器全体については、設備・什器買取ガイドをご覧ください。
厨房機器が多く、買取会社・原状回復会社・管理会社の作業日をどう組めばよいか整理できない場合は、お問い合わせから店舗の設備数・搬出条件・退去期限をご連絡ください。
