オフィス移転、縮小、閉鎖などで大量の家具が不要になると、「売れる家具だけ買取業者へ依頼し、残りを別の会社に処分してもらうべきか」「最初からまとめて依頼できないか」と迷うことがあります。
実際には、オフィス家具の買取と不用品回収・処分の両方に対応し、現地で売れる物と処分する物を分けて見積もる事業者があります。
例えば、状態の良いオフィスチェアやデスクには買取価格が付き、古い家具や破損した家具には回収・処分費がかかる、といった形です。
この場合に重要なのは、買取額だけを見るのではなく、搬出・養生・車両・処分費まで含めた最終精算額を見ることです。
また、「会社から出る家具だから全部産業廃棄物」と決めることもできません。売却する中古品と廃棄物は扱いが異なり、廃棄物になった後も品目・材質等によって処理区分を確認する必要があります。
この記事では、オフィス家具の買取と処分を同時に進めるときの仕分け、一括査定、見積比較、搬出、廃棄物処理、最終精算までを法人向けに整理します。
オフィス家具の買取と処分は同時に依頼できる
買取と不用品回収・撤去の両方に対応する事業者であれば、オフィス内の家具をまとめて確認し、
- 買取できる家具
- 買取価格は付かないが再利用・リサイクル可能な家具
- 有料で回収・処分する家具
へ分けて見積もることがあります。
例えばオフィス閉鎖で、
- オフィスチェア50脚
- 平デスク30台
- ロッカー10台
- 会議テーブル5台
- 古い書庫15台
が不要になるとします。
すべてに価格が付くとは限りません。
高機能チェアや同一型のデスクは買取対象になり、古い書庫や破損家具は処分になる、といった結果になることがあります。
その場合に、買取品だけを引き取ってもらい残りを別会社へ依頼する方法と、一社の窓口で買取・回収・処分をまとめる方法があります。
「オフィス家具買取」「オフィス不用品処分」との違い
| 記事 | 主に判断すること |
|---|---|
| オフィス家具 買取 | どの家具が売れるか、査定額が何で決まるか |
| オフィス家具 出張買取 | 現地査定をどう依頼し、搬出・支払いまで進めるか |
| オフィス家具 買取・処分 | 売れる家具と売れない家具が混在するとき、どう同時に査定・回収するか |
| オフィス 不用品 処分 | 家具・備品・OA/IT機器等を再利用、返却、売却、廃棄へ仕分ける方法 |
家具そのものの査定基準を知りたい場合はオフィス家具は買取できる?、出張査定から搬出までの流れはオフィス家具の出張買取を確認してください。
最初にオフィス家具を4つへ分ける
1.移転先で再利用する家具
新しいオフィスへ持っていく家具は売却・処分対象から外します。
移転会社、総務、買取会社で対象リストが異なると誤搬出につながるため、先に確定します。
2.返却する家具
オフィス内にある家具でも、自社所有とは限りません。
例えば、
- レンタル家具
- リース・割賦等の契約品
- 貸主所有の家具
- 什器レンタルサービスの製品
などがあります。
契約上返却すべき家具を自社所有品として買取・処分へ出さないよう、契約書や資産台帳を確認します。
3.買取候補
中古市場で再販できる可能性がある家具です。
代表例として、
- オフィスチェア
- オフィスデスク
- フリーアドレスデスク
- ロッカー
- 書庫・キャビネット
- 会議テーブル
- 役員家具
- 応接家具
などがあります。
メーカー・シリーズ、型番、年式、状態、同一モデルの数量などによって査定は変わります。
4.処分候補
破損、著しい劣化、需要不足等により価格が付かない家具です。
ただし、最初から「古いので全部処分」と決めず、査定を通してから処分へ切り替えた方が、まだ価値がある家具を捨てるリスクを減らせます。
買取できるか分からない家具も最初は査定へ含める
社内担当者が中古市場の価値を判断するのは難しいことがあります。
例えば、
- 購入から年数が経っているが有名シリーズのチェア
- 同一型が50台まとまっているデスク
- メーカー不明だが状態が良い会議テーブル
- 一般家具に見えるが高価格帯だった役員家具
などです。
処分対象にしてしまう前に、メーカー、型番、数量、状態が分かる写真を送り、買取対象になるか確認します。
一括査定では家具一覧を用意する
家具が多い場合、一覧を作っておくと買取品・処分品を分けやすくなります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 品目 | オフィスチェア |
| メーカー | オカムラ |
| シリーズ・型番 | 本体ラベル記載 |
| 数量 | 42脚 |
| 状態 | 通常使用/3脚肘に傷 |
| 所有区分 | 自社購入 |
| 希望 | 買取優先 |
型番が分からない家具は、全体写真、サイズ、数量、傷・破損箇所を伝えます。
家具ごとに買取条件は違う
オフィスチェア
メーカー・シリーズ、張地、肘、ヘッドレスト、昇降、リクライニング、キャスター、同一型の数量などを確認します。
オフィスチェアの買取も参照してください。
デスク
平机、片袖、両袖、フリーアドレスなどの種類、幅・奥行、鍵、配線部品、ワゴン等を確認します。
オフィスデスクの買取で詳しく整理しています。
ロッカー
人数・列数、鍵、施錠方式、棚・ハンガーパイプ、同一型の数量などを確認します。
オフィスロッカーの買取も確認してください。
会議テーブル
サイズ、形状、天板状態、キャスター、折りたたみ・ネスティング、配線部品等を確認します。
会議テーブルの買取も参照してください。
見積では「買取」「搬出」「処分」を分ける
一括対応だからといって、見積をすべて「一式」にしてしまうと比較しにくくなります。
最低限、
- 買取対象品
- 買取金額
- 搬出人件費
- 家具の分解費
- 養生費
- 車両・運搬費
- 階段・重量物等の追加費
- 処分対象品
- 回収・処分費
を確認します。
例えば、
家具買取額30万円 − 搬出・養生費10万円 − 処分費12万円 = 最終受取額8万円
という案件も考えられます。
一方、処分品が多ければ、買取額を差し引いても最終的には会社側が費用を支払う場合があります。
重要なのは、買取金額の大きさではなく、すべての家具を搬出した後の最終精算額です。
「無料回収」という表現だけで判断しない
買取会社や回収会社では、「無料回収」「無料査定」「出張無料」などの表現が使われることがあります。
これらは同じ意味ではありません。
例えば、
- 査定だけ無料
- 出張費だけ無料
- 対象商品の回収だけ無料
- 買取額で搬出費を相殺して実質0円
などがあります。
大型家具の分解、階段作業、養生、トラック、人員、処分品まで全て無料とは限らないため、見積書で確認します。
搬出費の考え方は什器・設備の買取で搬出費はかかる?も参考にしてください。
買取と処分を同じ会社へ頼むメリット
窓口を減らせる
買取業者、家具撤去業者、処分会社を別々に調整する必要が減ります。
搬出日をまとめやすい
複数社が別日に搬出すると、ビル管理への作業届やエレベーター予約、養生を何度も行う場合があります。
一括対応なら作業日をまとめやすくなります。
売れる家具を先に除外できる
全量を処分見積に入れるのではなく、売却可能な家具を査定し、残った物だけを処分費の対象にできます。
最終費用を一つの案件として比較しやすい
買取額と回収・処分費を同時に確認できます。
買取と処分を別会社にした方がよい場合
一括対応が常に有利とは限りません。
例えば、
- 高額なブランドチェアが大量にある
- デザイナーズ家具がある
- 役員家具・輸入家具等の専門性が高い
- 処分品が非常に多い
- 特殊搬出が必要
場合は、買取部分と撤去・処分部分を分けて比較する価値があります。
高価値家具は専門買取へ出し、一般家具・廃棄家具のみ一括回収へ回す方法もあります。
ただし、会社を細かく分けすぎると搬出車両・日程・ビル申請が増えるため、査定差額と手間の両方を比較します。
オフィス家具が全部産業廃棄物とは限らない
オフィスで使用していた家具を廃棄する場合でも、「法人から出る物はすべて産業廃棄物」という整理は正確ではありません。
事業活動に伴って発生する廃棄物には、法令上の産業廃棄物に該当するものと、それ以外の事業系一般廃棄物があります。
実際の区分は、
- 家具の材質
- 廃棄物の種類
- 発生状況
- 事業内容
- 所在地の自治体ルール
などを確認して判断します。
「オフィス家具一式」という名前だけで処理区分を決めないようにしてください。
産業廃棄物を委託する場合は処理先を確認する
処分対象が産業廃棄物に該当する場合は、単に家具を持っていける会社かどうかではなく、適切な処理ルートになっているか確認します。
確認したいのは、
- 対象廃棄物を扱える許可範囲
- 収集運搬を誰が担当するか
- 処分を誰が担当するか
- 必要な委託契約
- マニフェストによる処理確認
などです。
買取会社が窓口になり、廃棄物部分は別の許可事業者が担当する場合もあります。
「全部まとめて持っていきます」という説明だけではなく、売却品と廃棄物の処理経路を分けて確認します。
事業系一般廃棄物は所在地の自治体ルールを確認する
産業廃棄物に該当しない事業系ごみも、家庭の粗大ごみと同じ方法で処分できるとは限りません。
事業者向けの排出方法や一般廃棄物処理業者への委託方法は所在地によって異なるため、自治体のルールを確認します。
OA・IT機器は「家具」と分ける
オフィス閉鎖では家具と一緒に、
- PC
- サーバー
- 複合機
- ネットワーク機器
- ビジネスフォン
なども不要になることがあります。
これらはデータ消去、リース・レンタル、メーカー回収等の確認が必要になる場合があるため、単なる家具と同じ処分リストにまとめない方が安全です。
家具・OA機器を含めたオフィス全体の仕分けについてはオフィスの不用品はどう処分する?を確認してください。
固定家具・施工物は通常の家具買取と分ける
オフィス内には、自由に持ち運べる家具だけでなく、
- 壁固定の書庫
- 大型連結収納
- 造作カウンター
- 施工型パーテーション
- 床・壁へ固定した家具
などがある場合があります。
これらは通常の中古家具買取ではなく、解体・撤去工事が必要になることがあります。
また、オフィスの返還条件によっては貸主や管理会社との確認が必要です。
固定された家具を買取査定前に自社で外さず、設置状態の写真を送り、誰が解体・撤去するかを確認します。
ビルの搬出ルールも見積前に伝える
オフィス家具は商品価値だけでなく、建物条件が最終費用へ大きく影響します。
例えば、
- 何階か
- 荷物用エレベーターがあるか
- EV予約が必要か
- 養生範囲
- 搬出可能時間
- 夜間・休日指定
- 車両停車場所
- 作業届の提出期限
などです。
現地確認後に条件が判明すると見積が変わることがあるため、ビル管理会社の搬出規則を先に共有します。
原状回復工事から逆算して家具搬出日を決める
退去日までに家具を出せばよいとは限りません。
家具が室内に残っていると、床・壁・天井や設備の原状回復工事を開始できないことがあります。
そのため、
- 退去・明渡し日
- 貸主確認日
- 原状回復工事完了日
- 原状回復工事着工日
- 家具搬出完了日
の順に逆算します。
退去工程全体はオフィス退去・移転ガイドも確認してください。
退去直前まで使う家具も先に査定できる
デスクやチェアを最終営業日まで使用する場合でも、査定を最後まで待つ必要はありません。
例えば、
- 事前に家具一覧・写真を作る
- 現地査定を受ける
- 買取・処分対象を決める
- 搬出日・費用を確定する
- 最終営業日まで使用する
- 使用終了後にまとめて搬出する
という進め方ができます。
退去直前になって初めて業者を探すより、ビル申請・車両・作業員を確保しやすくなります。
見積書で確認する10項目
- どの家具が買取対象か
- 買取額はいくらか
- どの家具が処分対象か
- 処分・回収費はいくらか
- 分解・取り外し費
- 搬出人件費
- 養生費
- 車両・運搬費
- 廃棄物部分を誰がどう処理するか
- 最終受取額または最終支払額
複数社へ見積を依頼する場合は、家具一覧・数量・建物条件・希望搬出日を同じにして比較します。
買取額が高くても最終的に不利になることがある
例えば、2社から次の見積が出たとします。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 家具買取額 | 30万円 | 24万円 |
| 搬出等 | 12万円 | 5万円 |
| 処分費 | 10万円 | 6万円 |
| 最終受取額 | 8万円 | 13万円 |
この場合、査定額だけならA社の方が高いですが、会社に残る金額はB社の方が大きくなります。
法人の大量搬出では、この差が大きくなりやすいため、最終精算を基準に判断します。
買取できない家具だけ別の処分会社へ回す方法もある
買取会社の処分費が高い場合は、買取できる家具だけ売却し、残りを別の回収・処理事業者へ依頼する方法もあります。
比較する場合は、
- 別会社を手配する管理工数
- 搬出日が増えるか
- 養生・ビル申請が複数回必要か
- トラック・人員費が重複しないか
も含めます。
数万円の処分費差のために搬出日が2回増えるのであれば、総コストでは不利になることもあります。
オフィス家具の買取・処分を進める流れ
- 所有権を確認する
自社所有、返却品、貸主所有を分けます。 - 移転先へ持っていく家具を除外する
誤搬出を防ぎます。 - 家具一覧・写真を作る
品目、メーカー、型番、数量、状態を整理します。 - 買取・処分をまとめて査定する
価値がある家具を先に抽出します。 - 見積内訳を確認する
買取額、搬出費、処分費を分けます。 - 廃棄物の処理方法を確認する
一般廃棄物・産業廃棄物等の区分と処理先を確認します。 - ビル搬出条件を確定する
養生、EV、時間、車両等を調整します。 - 原状回復前に搬出を完了する
工事工程を止めないようにします。 - 最終精算を確認する
買取額だけではなく最終受取額・支払額を確認します。
よくある質問
オフィス家具の買取と処分は同じ会社に頼めますか?
買取と回収・処分の両方に対応する事業者であれば、一括で見積もれる場合があります。買取対象、処分対象、搬出費、処分費を分けて確認してください。
買取できなかった家具もそのまま回収してもらえますか?
対応する事業者があります。ただし無料とは限りません。回収・処分費が発生する場合は、買取額と合わせた最終精算額を確認します。
オフィス家具は全部産業廃棄物ですか?
一律ではありません。事業活動で発生した廃棄物でも、産業廃棄物に該当するものと、それ以外の事業系一般廃棄物があります。品目・材質・発生状況や所在地のルールに応じて確認します。
買取額と処分費を相殺できますか?
買取金額から搬出・回収・処分費を差し引いて最終精算する事業者があります。相殺する場合でも、買取額と各費用の内訳を確認してください。
古いオフィス家具は最初から処分した方がよいですか?
年式だけで一律には判断できません。メーカー、シリーズ、状態、同一型の数量等によっては査定対象になる場合があります。処分前に一度査定可否を確認する方法があります。
大量の家具は一社にまとめた方がよいですか?
窓口・搬出日をまとめられるメリットがありますが、高価値家具が多い場合は専門買取を分ける方が有利なこともあります。最終精算額と作業管理の両方を比較してください。
リース・レンタル家具も一緒に処分できますか?
自社所有でない家具を自社判断で売却・処分することは避けます。契約書を確認し、リース会社・レンタル会社へ返却方法を確認してください。
オフィスチェアやデスクを分解してから査定した方がよいですか?
通常は設置状態のまま相談できます。先に分解すると部品紛失や再販価値低下につながる場合があるため、誰が分解するかを査定時に確認します。
PCや複合機も家具と一緒に出せますか?
一括回収へ対応する事業者はありますが、PC・サーバー・複合機等はデータやリース契約など家具とは異なる確認事項があります。家具と同じ処分区分にせず個別に整理してください。
退去直前でも家具をまとめて処分できますか?
短納期対応が可能な事業者はありますが、物量、ビル申請、EV予約、養生、大型家具の分解等によっては間に合わない場合があります。原状回復着工日から逆算して手配します。
どの業者を選べばよいですか?
買取査定額だけでなく、処分対象、搬出・養生・車両費、廃棄物の処理方法、搬出可能日、最終精算額を同じ条件で比較してください。
オフィス家具は「売る物」と「捨てる物」を別々に考えすぎない
オフィス移転・閉鎖では、すべての家具が売れるわけでも、すべてを処分する必要があるわけでもありません。
最初に家具全体を査定し、価値がある物を買取へ回し、残った家具だけを適切に回収・処分する方が、処分量と費用を抑えられる可能性があります。
一方で、一括対応という理由だけで業者を決めず、買取額、搬出費、処分費、処理ルートを分けて確認します。
所有権確認 → 移転品・返却品除外 → 家具一覧作成 → 一括査定 → 買取品/処分品仕分け → 見積内訳確認 → 処理方法確認 → 搬出 → 最終精算という順番で進めると整理しやすくなります。
オフィス家具の買取・回収・処分をまとめて整理したい場合は、店舗・オフィスの退去について相談するから相談できます。
