飲食店やカフェ、バーなどを閉店・移転するとき、厨房に残っている業務用製氷機は、処分する前に買取できるか確認する価値があります。
製氷機は中古厨房機器として流通しており、メーカー、型番、年式だけでなく、1日に作れる氷の量、氷の種類、実際に製氷できるか、水漏れの有無、貯氷庫やフィルターの状態などが査定材料になります。
ただし、製氷機は冷蔵庫とは査定ポイントが少し違います。
電源が入るだけでは十分ではなく、給水から製氷、貯氷、排水まで正常に行えるかを確認できると、機器の状態を説明しやすくなります。
また、店舗に固定された給排水や電源から取り外す必要があるため、査定額だけでなく、取り外し・搬出費まで確認することも重要です。
この記事では、業務用製氷機を売る前に確認したい8項目と、買取できなかった場合の処理まで整理します。
業務用製氷機は中古でも買取対象になる
業務用製氷機は、飲食店、カフェ、居酒屋、バー、ホテルなどで使用される厨房機器です。
中古市場では、例えば次のようなメーカー・機種が流通しています。
- ホシザキ
- フクシマガリレイ
- パナソニック
- 大和冷機
また、製氷能力や用途によって、
- キューブアイスメーカー
- チップアイスメーカー
- フレークアイスメーカー
- その他の特殊な氷を作る製氷機
などがあります。
メーカー名だけで買取価格が決まるわけではありません。
同じメーカーでも、製氷能力、型番、年式、状態、氷の種類、中古需要、搬出条件によって評価が変わります。
製氷機の査定前に確認する8項目
1.メーカー・型番・製造番号・年式
査定を依頼するときは、最初に製氷機の銘板や資料を確認します。
少なくとも、
- メーカー
- 型番
- 製造番号
- 年式が確認できる情報
- 電源仕様
を写真で送れる状態にします。
「ホシザキの製氷機」「35kgくらいの製氷機」といった情報だけでも相談はできますが、型番まで分かれば買取業者が仕様や中古市場での需要を確認しやすくなります。
年式だけで買取可否を決めるものではありません。古くてもメーカー・型式・状態・需要によって査定対象になる場合がある一方、新しい機器でも故障や著しい劣化があれば評価が下がることがあります。
厨房機器全体の年式については厨房機器は何年まで買取できる?も確認してください。
2.製氷能力と氷の種類
製氷機では「どのくらい氷を作れる機種なのか」が重要です。
例えば、業務用製氷機には25kg級、35kg級、45kg級、55kg級、65kg級などさまざまな能力の製品があります。
より大型であれば必ず高く売れるわけではありません。
小規模飲食店で使いやすい機種と、大型店舗・宿泊施設等で必要になる機種では中古市場の買い手が違います。
また、キューブアイス、チップアイス、フレークアイスなど、作る氷の種類によって用途も変わります。
査定では、型番から製氷能力・氷種を確認できるようにしておきます。
3.実際に製氷できるか
製氷機で特に確認したいのが動作状態です。
電源が入るだけでなく、可能であれば、
- 給水される
- 製氷運転が開始する
- 正常な氷が作られる
- 貯氷庫へ氷が落ちる
- 排水される
- エラーが出ない
ところまで確認します。
例えば、「通電確認済み」と「実際に製氷確認済み」では、買い手が把握できる情報量が違います。
営業終了後に水道・電気を停止してしまうと、実際の製氷確認が難しくなることがあります。
閉店が決まっている場合は、営業中またはライフラインを停止する前に型番・状態・動作の写真や動画を残しておくと査定を進めやすくなります。
4.氷の状態・異音・エラーを確認する
製氷自体はできても、通常どおり動いているとは限りません。
例えば、
- 氷ができるまで異常に時間がかかる
- 氷の形が極端に不揃い
- 以前より製氷量が落ちた
- 大きな異音がする
- エラー表示が出る
- 途中で運転が停止する
といった状態がある場合は、査定時に伝えます。
不具合を隠して正常品として売ろうとするより、現在分かっている状態を先に伝えた方が現地査定後の減額や取引中止を防ぎやすくなります。
5.水漏れ・給水・排水の状態
製氷機は水道と排水設備を使用するため、水回りの状態も確認します。
例えば、
- 本体下部から水が漏れていないか
- 給水ホース周辺に漏れがないか
- 排水が正常に流れるか
- 接続部に著しい腐食がないか
- ホースや接続部品が残っているか
などです。
床が濡れている場合、本体からの漏水とは限らず、給排水配管や周辺設備が原因のケースもあります。
どこから漏れているか分からない場合は、「水漏れあり」として状態を伝え、無理に分解しない方が安全です。
6.貯氷庫・フィルター・外装などの清掃状態
製氷機は食品に使用する氷を作る機器なので、貯氷庫やスコップなど水・氷に触れる部分の状態も確認されやすい機器です。
査定前には、取扱説明書等で通常のお手入れとして認められている範囲で、
- 外装の汚れ
- 扉・取っ手
- 貯氷庫
- スコップ
- エアフィルター
- 目立つサビ・腐食
などを確認します。
ただし、高く売るために内部を自己判断で分解したり、機械部へ大量の水や薬剤を使用したりする必要はありません。
通常の清掃範囲を超える作業は避け、現状を正確に伝えます。
7.所有権・リース契約を確認する
店内に設置されている製氷機が、必ず現在の店舗の所有物とは限りません。
例えば、
- リース品
- レンタル品
- 前テナントから引き継いだ設備
- 貸主設備
の可能性があります。
リース会社等が所有している製氷機を、現在の利用者が自社所有品として売却することは避けます。
購入記録、固定資産台帳、リース契約等を確認してから査定に出します。
リース設備の考え方は居抜き店舗のリース品の扱いも参照してください。
8.取り外し・搬出条件
製氷機の査定では、本体価格だけでなく搬出条件も重要です。
確認したいのは、
- 給水・排水からの取り外し
- 電源仕様
- 本体の大きさ・重量
- 厨房から出口までの通路幅
- 段差・階段
- エレベーターの有無
- 養生の必要範囲
- 営業時間・搬出時間の制限
- 商業施設等の搬出申請
です。
査定額が高くても、取り外しや搬出費が大きければ最終的な手取り額は小さくなることがあります。
比較するのは「買取査定額」ではなく、「買取額-取り外し・搬出等の費用=最終受取額」です。
詳しくは厨房機器の買取で撤去費はかかる?も確認してください。
業務用製氷機の査定で準備する写真
電話やWEBで事前査定を受ける場合は、次の写真を用意すると情報を伝えやすくなります。
- 製氷機全体
- メーカー・型番が分かる銘板
- 正面・側面
- 貯氷庫内部
- 製氷した氷
- 操作・表示パネル
- 給水・排水接続部
- 目立つサビ・へこみ・破損
- 設置場所から出口までの搬出経路
動作確認ができる場合は、製氷中や氷が落ちる状態を短い動画で残しておく方法もあります。
厨房機器全体の査定準備は厨房機器の査定は何を見る?で整理しています。
製氷機の買取相場は一律に決めない
インターネットでは製氷機の買取実績や参考価格が公開されています。
ただし、それを自分の製氷機の固定相場として扱わない方がよいでしょう。
同じメーカーでも、
- 型番
- 年式
- 製氷能力
- 氷の種類
- 動作状態
- 清掃・衛生状態
- 中古市場の需要
- 搬出条件
- 査定地域
などによって条件が変わります。
また、掲載されている「買取価格」が、搬出・取り外し費を控除する前なのか、すべて込みの最終支払額なのかも業者によって異なります。
複数の業者を比較する場合は、査定額だけでなく費用条件を揃えて比較します。
古い製氷機でも査定を受けられる?
年式は重要な査定項目ですが、「製造から○年以上は全国どこでも買取不可」という共通ルールはありません。
買取業者ごとに取扱基準や再販ルートが違うからです。
古い機器でも、
- 需要のあるメーカー・型式
- 正常に製氷できる
- 水漏れがない
- 状態が比較的よい
- 他の厨房機器とまとめて売却する
などによって査定対象になる場合があります。
逆に年式が比較的新しくても、故障・腐食・衛生状態・搬出難易度等によって価格が付かないことがあります。
処分を先に決めず、型番と現在の状態を伝えて査定可否を確認します。
故障した製氷機は売れる?
故障品への対応は買取業者によって異なります。
正常動作品だけを買取対象とする業者もあれば、機種や故障内容によって相談できる場合があります。
例えば、
- 電源が入らない
- 氷ができない
- 水漏れがある
- エラーが出る
- コンプレッサー等から異音がする
場合は、故障内容を隠さず伝えます。
売却するためだけに高額な修理を先に行う必要があるとは限りません。
まず現状のまま査定し、修理後に売る場合の見込みと修理費を比較します。
清掃すれば買取価格は上がる?
査定前に通常の清掃を行い、汚れや不要物を取り除いておくことは、状態確認をしやすくする意味があります。
特に製氷機では、貯氷庫やスコップ、扉、取っ手、エアフィルターなど日常的に清掃する部分の状態を確認しておきます。
ただし、買取価格を上げるために専門的な分解洗浄を自己判断で行う必要はありません。
故障させたり、部品を紛失したりすれば逆効果です。
メーカーの取扱説明書・お手入れ方法で示されている範囲を基本にします。
給排水は自分で外してから査定する?
査定を受ける段階で、先に製氷機を取り外す必要はありません。
むしろ、取り外す前なら製氷動作を確認できる場合があります。
閉店が決まったら、まず設置された状態で査定を依頼し、
- 誰が給排水を外すのか
- 取り外し費用がかかるか
- 止水・配管処理を誰が行うか
- 搬出後の設備復旧が必要か
を確認します。
厨房機器をまとめて売却する場合は厨房機器の出張買取も参照してください。
他の厨房機器とまとめて査定する方法もある
閉店で製氷機以外にも、
- 業務用冷蔵庫
- 業務用冷凍庫
- 食器洗浄機
- ガスレンジ
- フライヤー
- 作業台・シンク
などが不要になる場合は、一緒に査定を依頼する方法があります。
複数機器をまとめれば必ず買取単価が上がるわけではありませんが、搬出日程や車両、処分品を含む厨房全体の整理を一度に比較しやすくなります。
閉店時の厨房機器全体については飲食店の閉店で厨房機器は買取できる?で整理しています。
冷蔵庫・冷凍庫とは査定ポイントが違う
製氷機、冷蔵庫、冷凍庫はいずれも厨房の冷却系設備ですが、確認する機能が違います。
| 機器 | 特に確認したい機能 |
|---|---|
| 製氷機 | 給水・製氷・氷の状態・貯氷・排水 |
| 業務用冷蔵庫 | 庫内温度・冷却・扉・パッキン等 |
| 業務用冷凍庫 | 冷凍温度・冷凍能力・霜・扉等 |
それぞれ中古需要が異なるため、一括して「冷却機器だから同じ査定」とは考えません。
製氷機の冷媒は型番ごとに確認する
製氷機は冷却機構を持つため、売却・処分時には使用されている冷媒も確認します。
ここで注意したいのは、すべての製氷機を「フロン回収が必要な機器」と決めつけないことです。
現行製品には自然冷媒を採用する製氷機もあります。
一方、フロン類を冷媒として使用し、フロン排出抑制法上の第一種特定製品に該当する業務用機器もあります。
まず型番・銘板等で冷媒や機器区分を確認します。
中古製氷機として売る場合と、廃棄する場合は分ける
フロン類を使用する第一種特定製品に該当する場合でも、正常な業務用冷凍空調機器として中古販売することと、廃棄することは同じではありません。
本来の用途で再使用する中古機器として売却する場合は、フロン排出抑制法上の「廃棄等」とは別の扱いになります。
対象となる機器では、点検・整備の履歴を記録した点検整備記録簿を譲渡先へ引き継ぐ必要があります。
一方で、売却できず廃棄する場合や、冷凍空調機器として再使用せず部品・原材料として扱う場合などは処理が変わります。
「売れないので金属くずとして持っていってもらう」と自己判断せず、機器と冷媒の扱いを確認します。
買取できなかった製氷機はどうする?
査定を受けても価格が付かない場合は、次の選択肢を比較します。
他の厨房機器とまとめて引き取りを相談する
製氷機単体では買取が難しくても、厨房機器一式の撤去案件として対応できる業者があります。
買取と処分を同時に見積もる
売れる機器と売れない機器を分け、買取額と撤去・処分費を相殺して最終的な支払額を比較します。
厨房機器の買取と処分を同時に頼む場合も確認してください。
適正な処分へ切り替える
中古再使用できず廃棄する場合は、冷媒の種類、機器区分、事業系廃棄物としての処理ルートを確認します。
単に家庭ごみや粗大ごみと同じ感覚で処分するのではなく、事業用設備として適切な処理方法を選びます。
製氷機を売るときの流れ
- 所有者を確認する
自社購入品か、リース・レンタル品かを確認します。 - 型番等を撮影する
メーカー、型番、製造番号、仕様が分かる情報を残します。 - 動作を確認する
可能であれば給水から製氷・排水まで確認します。 - 状態を撮影する
庫内、水回り、外装、エラー等を記録します。 - 搬出条件を確認する
給排水、通路、階段、営業時間等を整理します。 - 査定を依頼する
製氷機単体または厨房機器一式で見積もります。 - 最終受取額を比較する
取り外し・搬出・車両等が別料金か確認します。 - 売れない場合だけ処分へ切り替える
冷媒・廃棄物処理を確認して適正に処理します。
よくある質問
古い業務用製氷機でも買取できますか?
年式だけで一律に決まるものではありません。メーカー、型番、製氷能力、正常に製氷できるか、衛生状態、中古需要、搬出条件などを含めて査定されます。廃棄を決める前に型番と状態を伝えて確認してください。
ホシザキの製氷機なら必ず売れますか?
必ず買取価格が付くわけではありません。ホシザキ製も中古市場で流通していますが、型番、年式、能力、状態、故障の有無などによって評価は変わります。
故障した製氷機も買い取ってもらえますか?
業者によって異なります。故障品を買取対象外とする業者もあります。電源、製氷、水漏れ、エラー等の現在の状態を伝えて査定可否を確認してください。
営業終了後で製氷確認できません。査定できますか?
査定相談自体はできます。ただし、実際に製氷できる状態を確認できないため、評価方法が変わる可能性があります。閉店前なら、型番や状態とともに製氷時の写真・動画を残しておく方法があります。
査定前に製氷機を清掃した方がよいですか?
通常のお手入れ範囲で、外装、貯氷庫、スコップ、フィルター等を清掃して状態を確認しておく方法があります。査定のために自己判断で分解洗浄する必要はありません。
製氷機を外してから買取業者へ連絡した方がよいですか?
先に外す必要はありません。設置状態であれば動作確認ができる場合があります。取り外し・給排水処理・搬出を誰が行うか、費用も含めて査定時に確認してください。
製氷機には必ずフロンが入っていますか?
一律には言えません。現行機種には自然冷媒を使用する製品もあります。型番や銘板で冷媒を確認し、フロン類を使用する第一種特定製品に該当する場合はフロン排出抑制法上の扱いを確認します。
フロンを使う製氷機は売却前に冷媒を回収しますか?
本来用途で再使用する中古の業務用冷凍空調機器として売却する場合と、機器を廃棄する場合は扱いが異なります。中古再使用目的の売却で対象となる第一種特定製品では、点検整備記録簿の引継ぎも確認してください。
製氷機の買取業者は査定額だけで選んでよいですか?
査定額だけでなく、出張費、取り外し費、搬出費、養生、車両費などを確認します。最終受取額がいくらになるかで比較してください。
製氷機は水道を止めて処分する前に、型番と製氷状態を確認する
業務用製氷機を売る場合、メーカー名や年式だけではなく、製氷能力、氷の種類、実際の製氷状態、水漏れ、貯氷庫・フィルター等の状態、給排水、搬出条件まで確認します。
特に閉店時は、電気や水道を停止してから査定を始めると、動作確認できないことがあります。
所有権確認 → 型番・仕様確認 → 製氷動作確認 → 水回り・清掃状態確認 → 搬出条件確認 → 査定 → 最終受取額比較 → 売れない場合のみ適正処分という順番で進めると判断しやすくなります。
製氷機だけでなく冷蔵庫・冷凍庫・食洗機など厨房全体を処分する予定がある場合は、個別に捨てる前にまとめて査定できるか確認します。
閉店・移転で不要になった製氷機や厨房設備について、買取と処分のどちらがよいか整理したい場合は、店舗・オフィスの退去について相談するから相談できます。
