飲食店の閉店、厨房設備の入れ替え、移転などで不要になった業務用冷凍庫は、すぐに廃棄せず買取査定できる場合があります。
縦型冷凍庫、冷凍ストッカー、冷凍冷蔵庫などは、メーカー、型番、年式、冷却状態、中古市場での需要によって価格が付くことがあります。
一方、業務用冷凍庫は大型・重量物になりやすく、100Vだけでなく三相200V等の機種もあります。店舗から搬出するための人員、養生、車両、階段・エレベーターなどの条件によっては、査定額だけを見ても実際の手取り額は分かりません。
さらに、フロン類を冷媒として使用する業務用冷凍庫では、売却するのか、廃棄するのかによってフロン排出抑制法上の扱いも変わります。
業務用冷凍庫の売却では、「冷凍庫本体にいくら付くか」だけでなく、「正常に冷えるか」「いくらで搬出できるか」「中古機器として再利用されるのか」を確認して判断します。
業務用冷凍庫は中古で買取できる
業務用冷凍庫を専門に扱う中古厨房機器会社があり、ホシザキ、フクシマガリレイ、パナソニック、大和冷機などの機器が買取対象になっています。
対象になり得る機器には、たとえば次があります。
- 縦型業務用冷凍庫
- 横型・コールドテーブル型冷凍庫
- 冷凍ストッカー
- 冷凍冷蔵庫
- 大型フリーザー
ただし、業務用冷凍庫なら必ず価格が付くわけではありません。
同じメーカーでも、型番、製造年、容量、電源、冷却性能、外観・庫内状態などによって査定結果は変わります。
閉店時に厨房機器全体を整理する場合は、飲食店の閉店で厨房機器は買取できる?もあわせて確認してください。
冷蔵庫と冷凍庫は同じ査定でよい?
共通する査定項目は多いものの、冷凍庫では低温を維持する性能の確認が特に重要です。
冷蔵庫であれば一定温度まで冷却できても、冷凍庫として必要な温度帯まで下がらなければ、修理コストを含めて評価が下がる可能性があります。
また、低温で使用されるため、
- 庫内の霜付き
- 扉パッキンの劣化
- 扉の密閉状態
- 冷却の立ち上がり
- 異音
- エラー表示
なども確認されます。
冷蔵庫を売る場合は、業務用冷蔵庫の買取で分けて整理しています。
業務用冷凍庫の査定前に確認する8項目
1.メーカー・型番・製造年を確認する
最初に本体の銘板を確認します。
銘板には、
- メーカー
- 型式・型番
- 製造番号
- 製造年
- 電源
- 定格内容積
- 冷媒等
が記載されている場合があります。
査定依頼では「ホシザキの大きな冷凍庫です」と伝えるより、銘板の写真を送った方が機種を正確に特定できます。
型番によって容量、電源、ドア数、世代等が分かるため、写真査定でも重要な資料になります。
2.年式だけで売れないと決めない
厨房機器の中古買取では、比較的新しい機器ほど再販しやすい傾向があります。
業務用冷凍庫について「製造から5年程度」を一つの買取目安としている事業者もあります。
ただし、5年以上経過したら必ず買取不可という意味ではありません。
メーカー、型番、冷却状態、需要、外観、部品供給状況等によっては、それ以上経過した機器でも査定対象になる場合があります。
反対に、年式が新しくても故障していたり、中古需要が低かったりすれば価格が付きにくいことがあります。
年式は査定要素の一つであり、全国共通の「○年以上は売れない」という基準はありません。
厨房機器全般の年式については、厨房機器は何年まで買取できる?も参照してください。
3.電源を切る前に冷却状態を確認する
閉店作業では、不要になった設備から順番に電源を切りたくなります。
しかし、冷凍庫の査定前に長期間電源を落とすと、「現在どの程度冷えるのか」をその場で確認できなくなる場合があります。
使用できる状態なら、電源を切る前に、
- 設定温度
- 実際の表示温度
- 正常に温度が下がるか
- 異常表示の有無
- 異音の有無
- 冷却のムラ
を確認しておきます。
温度表示がある場合は、通常使用時の表示を写真に残して査定会社へ伝える方法もあります。
ただし、閉店後の電気契約や食品衛生上の都合もあるため、査定のためだけに不要な長期通電を続ける必要はありません。
買取査定と電源停止の時期を先に調整してください。
4.庫内・扉・パッキン・霜の状態を確認する
業務用冷凍庫では、本体が冷えるかだけでなく、庫内や扉まわりの状態も査定材料になります。
確認したいのは、
- 庫内の汚れ
- 強い臭い
- サビ・腐食
- 棚板の欠品
- 扉の歪み
- パッキンの破損・硬化
- 過度な霜付き
- 取っ手の破損
- 外装の大きなへこみ
などです。
簡単に清掃できる汚れは査定前に落としておくと、機器の実際の状態を確認してもらいやすくなります。
一方、査定額を上げるためだけに高額な部品交換・修理を先に行う必要があるとは限りません。
修理費より査定上昇額の方が小さい可能性もあるため、故障・破損箇所を先に査定会社へ伝えます。
5.容量・形状・電源仕様を確認する
業務用冷凍庫は、機種によって再販できる店舗が異なります。
たとえば、
- 小型・大型
- 縦型・横型
- 2ドア・4ドア・6ドア
- 冷凍専用・冷凍冷蔵
- 100V
- 単相200V
- 三相200V
などです。
中古購入者側の厨房スペースや電源設備に合わなければ設置できないため、容量・本体寸法・電源仕様は査定にも関係します。
特に大型機や三相200V機器では、設置できる購入者が限定される場合があります。
銘板だけでなく、本体の幅・奥行・高さも査定時に伝えると搬出条件まで判断しやすくなります。
6.棚板・ラック・付属品をそろえる
業務用冷凍庫の庫内には棚板、棚受け、ラック等の付属品があります。
店舗整理の途中で、棚板だけを先に廃棄してしまわないようにしてください。
同じ型番でも、
- 棚板がそろっている
- 棚受けが残っている
- 排水関連部品がある
- 取扱説明書等がある
などによって再販時の使いやすさが変わります。
不足品があっても査定自体はできる場合がありますが、査定前に「何があるか・何がないか」を確認しておきます。
7.搬出経路と取り外し条件を確認する
業務用冷凍庫の査定で、本体価格と同じくらい実務上重要なのが搬出条件です。
大型機では、
- 店舗入口を通るか
- 厨房の通路幅
- 階段搬出が必要か
- エレベーターに入るか
- 段差があるか
- 車両を店舗前へ停められるか
- 商業施設の搬出時間指定があるか
- 共用部養生が必要か
を確認します。
現地査定前に、本体だけでなく厨房から建物外までの搬出経路の写真を送ると見積条件をそろえやすくなります。
また、固定設備・配管等へ接続されている機器では、取り外し作業が必要になる場合があります。
買取時の撤去・搬出費については、厨房機器の買取で撤去費はかかる?で詳しく整理しています。
8.フロン機器なら「売却」と「廃棄」を分ける
業務用冷凍庫の中には、フロン類を冷媒として使用し、フロン排出抑制法上の第一種特定製品に該当する機器があります。
ここでは、中古売却と廃棄を混同しないことが重要です。
第一種特定製品を、冷凍空調機器として本来の用途で再使用する中古品として売却する場合は、フロン排出抑制法上の「廃棄等」には該当しません。
この場合、機器の点検・修理・冷媒充塡回収等を記録した点検整備記録簿を次の管理者へ引き継ぐ必要があります。
一方、冷凍庫として再利用せず、部品取り・原材料化する目的で引き渡す場合や、売れずに廃棄する場合は扱いが変わります。
廃棄等に該当する場合は、対象機器についてフロン類の回収や行程管理等を確認します。
なお、すべての業務用冷凍庫がフロン類を使用しているとは限りません。
冷媒の種類と機器区分を確認したうえで対応してください。
業務用冷凍庫の買取額は何で決まる?
業務用冷凍庫の査定額は、年式だけで決まりません。
| 査定項目 | 確認内容 |
|---|---|
| メーカー・型番 | 中古需要、機種、世代 |
| 製造年 | 経過年数 |
| 冷却性能 | 設定温度まで正常に下がるか |
| 庫内状態 | 汚れ、臭い、サビ、霜等 |
| 扉・パッキン | 密閉性、破損、劣化 |
| 仕様 | 容量、ドア数、電源、寸法 |
| 付属品 | 棚板、棚受け等 |
| 搬出条件 | 重量、階数、EV、養生、車両等 |
同じ製造年でも、正常に冷える機器と冷却不良がある機器では評価が変わります。
逆に多少古くても、人気メーカー・需要のあるサイズで状態が良ければ査定対象になることがあります。
厨房機器全体の査定基準については、厨房機器の査定は何を見る?も参照してください。
「5年を超えたら売れない」ではない
業務用冷凍庫の買取について、製造から5年程度を目安としている買取会社があります。
ただし、これは法律上の使用期限でも、全国統一の買取基準でもありません。
5年以上でも、
- ホシザキ等の需要のあるメーカー
- 人気の型番・サイズ
- 正常に冷える
- 庫内・外装の状態が良い
- 部品供給・修理可能性がある
- 搬出条件が良い
といった条件によって査定できる場合があります。
処分業者へ依頼する前に、型番・年式・写真を使って買取可否だけでも確認しておく方法があります。
故障している冷凍庫でも査定できる?
冷却しない、温度が安定しない、パッキンが破れているなどの不具合がある場合でも、査定自体を受けられることがあります。
軽微な部品交換で再販できる場合や、機種自体に中古需要がある場合です。
一方、コンプレッサー等の大きな修理が必要で再販コストが高い機器では、買取不可となる可能性があります。
故障を隠さず、
- 現在の温度
- エラーコード
- 異音
- 冷えない場所
- いつから不具合があるか
など分かる範囲で伝えます。
冷凍ストッカーも買取対象になる?
上開き式等の冷凍ストッカーも、中古需要と状態によって買取対象になる場合があります。
縦型冷凍庫と同様、
- メーカー
- 型番
- 容量
- 年式
- 冷却状態
- 外装・庫内状態
- 電源
を確認します。
ただし、大型業務用縦型冷凍庫と小型冷凍ストッカーでは中古価格帯・需要・搬出費が異なるため、「冷凍庫○万円」という一律相場では比較できません。
買取価格より最終受取額を見る
たとえば買取査定が5万円でも、搬出・取り外し等で4万円かかれば、実際に残る金額は1万円です。
別の会社が査定額4万円でも搬出費込みなら、後者の方が条件が良い可能性があります。
したがって、比較するときは、
買取額 − 取り外し費 − 搬出人員費 − 養生費 − 車両費 − その他費用 = 最終受取額
で確認します。
出張査定が無料でも、搬出が無料とは限りません。
正式見積では、査定額と諸経費を分けて確認してください。
訪問査定全体の流れは、厨房機器の出張買取も参照してください。
売れない冷凍庫はどうする?
買取不可になった場合は、その時点で適切な処分へ切り替えます。
このとき、フロン類を使用する第一種特定製品であれば、単純に金属くずとして搬出するのではなく、フロン排出抑制法に沿った対応が必要になります。
確認したいのは、
- 冷媒の種類
- 第一種特定製品に該当するか
- 誰がフロン回収を手配するか
- 第一種フロン類充塡回収業者への依頼
- 引取証明書等の行程管理
- 本体の廃棄・資源化ルート
です。
買取会社が「値段は付きませんが回収できます」と案内した場合も、単なる中古品買取から廃棄・資源化へ扱いが変わるなら、適法な処理ルートを確認してください。
売れる機器と処分する機器が混在する場合は、厨房機器の買取と処分を同時に頼む方法も参照してください。
点検整備記録簿も冷凍庫と一緒に確認する
フロン排出抑制法の第一種特定製品では、管理者が機器ごとに点検・修理・冷媒の充塡・回収等の履歴を記録します。
中古の業務用冷凍空調機器として売却し、管理者が変わる場合は、その点検整備記録簿を次の管理者へ引き継ぎます。
閉店時に冷凍庫本体だけを搬出し、設備管理資料をすべて廃棄しないようにしてください。
特に複数台ある店舗では、型番・製造番号と点検記録を機器ごとに照合できるようにしておくと整理しやすくなります。
査定依頼で送る写真
写真査定では、次の写真をまとめて送ると判断しやすくなります。
- 冷凍庫全体
- 正面
- 左右・背面
- 庫内
- 銘板
- 温度表示
- 扉パッキン
- 傷・サビ・へこみ
- 棚板・付属品
- 設置場所
- 厨房出口
- 階段・エレベーター
- 建物の搬入口
型番だけでなく搬出条件まで同時に伝えると、現地査定後の金額変更を減らしやすくなります。
閉店時は解体工事より先に査定する
閉店に伴って店舗をスケルトンへ戻す場合でも、解体工事を先に始めない方がよいケースがあります。
冷凍庫に買取価値があるなら、解体前に搬出した方が設備として再利用しやすいためです。
閉店工程は、
- 居抜きの可能性を確認する
- 厨房機器の所有権を確認する
- 冷凍庫等を査定する
- 売却・返却・移転する機器を搬出する
- 売れない物を適切に処分する
- 残置物を撤去する
- 内装解体・原状回復へ進む
という順番が整理しやすくなります。
まだ使える設備まで解体廃材として処理してしまうと、買取可能性を失います。
業務用冷凍庫の買取についてよくある質問
業務用冷凍庫は何年まで買取できますか?
全国一律の年式基準はありません。
5年程度を目安としている買取会社もありますが、それ以上でもメーカー、型番、状態、中古需要によって買取できる場合があります。
10年以上前の冷凍庫は処分しかありませんか?
必ずではありません。
古い機器では価格が付きにくくなる傾向がありますが、人気機種や状態によって査定対象になる可能性があります。
処分を決める前に型番・年式を伝えて確認します。
ホシザキの冷凍庫は売れますか?
ホシザキの業務用冷凍庫は中古買取市場で取り扱われています。
ただし、メーカー名だけで価格は決まらず、型番、年式、容量、冷却状態、搬出条件等を含めて査定されます。
冷えが弱い冷凍庫も買い取ってもらえますか?
状態次第です。
修理可能な不具合であれば査定対象になる場合もありますが、修理コストが高ければ買取不可になることがあります。
棚板が足りなくても売れますか?
査定できる場合があります。
ただし、付属品不足は再販条件へ影響するため、残っている棚板・棚受けをまとめて査定会社へ伝えます。
三相200Vの冷凍庫も買取できますか?
対象にしている買取会社があります。
電源仕様によって再販先が変わるため、銘板の電源表示を正確に伝えてください。
フロン入りの冷凍庫を中古で売ってもよいですか?
第一種特定製品を業務用冷凍空調機器として本来用途で再使用する中古品として売却する場合は、フロン排出抑制法上の「廃棄等」には該当しません。
ただし、点検整備記録簿を次の管理者へ引き継ぐ必要があります。
買取不可と言われた冷凍庫はどうすればよいですか?
フロン類を使用する第一種特定製品に該当する場合は、フロン回収・行程管理を含む適正な処分へ切り替えます。
「無料で持っていく」という条件だけで決めず、中古再利用なのか廃棄なのかを確認してください。
業務用冷凍庫は、廃棄を決める前に型番と冷却状態を確認する
不要になった業務用冷凍庫を整理するときは、
- メーカー・型番・年式を確認する
- 年式だけで廃棄を決めない
- 電源を切る前に冷却状態を確認する
- 庫内・パッキン・霜・外装を確認する
- 容量・電源仕様を確認する
- 付属品をそろえる
- 搬出条件を確認する
- 中古売却か廃棄かに応じてフロン対応を分ける
という順番で進めると判断しやすくなります。
特に閉店時は、解体・廃棄を先に発注するのではなく、まだ使える厨房機器を先に査定することで、処分量を減らせる場合があります。
業者比較では表面上の買取価格だけを見ず、取り外し・搬出・養生・車両費等を差し引いた最終受取額まで確認してください。
