B工事の管理費が高い?現場管理費・一般管理費を確認する8項目

B工事の見積を見ると、設備工事や撤去工事とは別に、「管理費」「現場管理費」「一般管理費」「施工管理費」などが計上されていることがあります。

工事費そのものが高いだけでも判断に迷うところへ、管理費として数十万円から数百万円が加わっていると、「これは何の費用なのか」「指定業者だから高くなっているのではないか」と感じることがあります。

ただし、管理費があること自体を不合理と考える必要はありません。

工事現場では、職人が実際に施工するだけでなく、工程、安全、品質、ビル管理会社との調整、各工種の施工順序などを管理する必要があります。

一方で、管理費の名称や算定方法は会社ごとに異なり、見積書に「管理費 一式」としか記載されていなければ、借主側からは中身が分かりにくくなります。

B工事の管理費を確認するときは、「何%なら高いか」より、誰が何を管理し、その費用を何に対して計算しているのかを確認することが重要です。

この記事では、B工事の管理費・現場管理費・一般管理費等について確認したい8項目と、諸経費との重複や再見積の見方を整理します。

B工事の諸経費全体については、B工事の諸経費が高い?をご覧ください。

目次

B工事の「管理費」とは

民間のB工事見積では、「管理費」という項目名の使い方が会社ごとに異なります。

例えば、

  • 現場管理費
  • 施工管理費
  • 一般管理費
  • 管理諸経費
  • 現場経費

などの名称があります。

これらをすべて同じ意味と考えることはできません。

見積書上の名称よりも、何の業務・費用を含む項目なのかを確認します。

費用構造を理解する参考になる「現場管理費」と「一般管理費等」

民間B工事そのものの全国共通ルールではありませんが、費用構造を理解する参考として、公共建築工事では現場管理費と一般管理費等が区分されています。

現場管理費

工事現場を施工・管理するために必要となる費用です。

例えば、

  • 現場従業員の給与・手当
  • 労務管理
  • 安全・衛生管理
  • 保険
  • 法定福利費
  • 通信・交通
  • 現場事務

などが含まれる考え方です。

一般管理費等

施工会社が会社として事業を維持し、工事を請け負うために必要となる費用です。

例えば、

  • 本店・支店の人件費
  • 事務所費
  • 通信費
  • 保険
  • 会社運営費
  • 付加利益

などが含まれる考え方です。

ただし、これは公共建築工事の積算上の整理です。

民間B工事について、公共工事の現場管理費率・一般管理費率をそのまま適正価格として使用するものではありません。

B工事の管理費で確認する8項目

  1. 見積上の「管理費」が何を意味するか
  2. 現場管理費に何が含まれているか
  3. 一般管理費等と分かれているか
  4. 何を基準に計算しているか
  5. 工期・夜間工事・現場体制がどう影響するか
  6. B工事特有の申請・設備調整が含まれているか
  7. 諸経費・共通仮設費等と重複していないか
  8. 工事範囲・工期変更後に再計算されているか

1.見積上の「管理費」が何を意味するか確認する

まず見るのは金額ではなく、項目の意味です。

例えば見積書に、

管理費 一式 1,200,000円

と記載されていても、これだけでは妥当性を判断できません。

施工会社や管理会社へ、

  • 現場監督の費用なのか
  • 工程管理を含むのか
  • 安全管理を含むのか
  • 本支店側の管理費も含むのか
  • 申請・調整業務も含むのか

を確認します。

「管理費」という一つの言葉で複数の費用をまとめる会社もある

会社によっては、現場管理費と一般管理費等をまとめて「管理費」と表記することがあります。

反対に、それぞれを別項目にしている会社もあります。

そのため、他社の「管理費10%」と、自社見積の「管理費15%」を名称だけで比較しないようにします。

2.現場管理費に何が含まれているか確認する

現場管理費は、実際の工事を現場で適切に進めるための費用です。

B工事では、例えば、

  • 現場監督
  • 工事工程の管理
  • 職人・専門業者間の調整
  • 安全管理
  • 品質確認
  • 搬入・搬出調整
  • ビル管理会社との連絡

などが関係します。

現場監督がいるから管理費が発生するのは不自然ではない

例えば空調・電気・防災設備を同時に変更するB工事では、複数業者が同じ天井内・設備スペースで作業します。

施工順序を誤れば、

  • 完成した天井を再び開ける
  • 配線と配管が干渉する
  • 防災設備の検査がやり直しになる

といった手戻りが発生する可能性があります。

このような工程・品質を管理する業務そのものは必要です。

「必要な管理」と「管理費の妥当性」は別問題

管理業務が必要だからといって、提示された金額を確認せず承認する必要があるわけではありません。

確認したいのは、

  • 何人の管理者が必要か
  • 何日間必要か
  • 常駐か巡回か
  • 夜間・休日も管理者が必要か

です。

3.一般管理費等と分かれているか確認する

現場管理費とは別に、「一般管理費」「一般管理費等」が計上されていることがあります。

一般管理費等は、個別現場だけでなく、会社全体を維持し工事を請け負うための費用を含む考え方です。

現場管理費と一般管理費は役割が違う

大まかに分ければ、

現場管理費=その現場を運営する費用

一般管理費等=会社として工事を請け負うための費用

と整理できます。

したがって両方が見積に存在するという理由だけで、直ちに二重計上とは言えません。

「一般管理費+諸経費+管理費」が並ぶ場合は中身を確認する

例えば、

  • 現場管理費
  • 一般管理費
  • 諸経費

の3項目がある場合、それぞれが何の費用を担当しているか確認します。

同じ本支店管理費や現場監督費が複数項目へ含まれていないかを見ることが重要です。

4.何を基準に管理費を計算しているか確認する

管理費が率計算されている場合は、率だけでなく算定基礎を確認します。

例えば、

  • 直接工事費
  • 純工事費
  • 設備工事費
  • 工事原価全体

など、何に対して率を掛けているかで管理費は変わります。

「管理費15%」だけでは判断できない

例えば、

500万円 × 15% = 75万円

と、

1,000万円 × 15% = 150万円

では同じ15%でも実額は倍になります。

確認するのは、

  • 管理費率
  • 算定対象額
  • 管理費の実額
  • 含まれる管理業務

です。

率計算ではなく積み上げの場合もある

例えば、

  • 現場監督2名×10日
  • 夜間立会い5回
  • 設備試験3日

のように、必要な管理業務を個別に積み上げて計算する場合もあります。

率方式と積み上げ方式のどちらが正しいということではなく、計算根拠を確認できるかが重要です。

5.工期・夜間工事・現場体制がどう影響するか確認する

管理費は工事金額だけでなく、現場条件によっても変わります。

例えば、

  • 工期が長い
  • 夜間工事
  • 休日工事
  • 常駐管理が必要
  • 作業可能時間が短い
  • 工種・施工会社が多い

案件では、管理負担が増える場合があります。

同じ工事金額でも工期が違えば管理負担は違う

例えば同じ1,000万円の工事でも、

A案件:5日で完了

B案件:1か月かけて夜間のみ施工

なら、管理者の拘束期間や調整回数は異なります。

そのため、工事金額だけで管理費の高低を判断しないようにします。

小規模工事で管理費率が高く見えることもある

工事規模が小さくても、

  • 現場確認
  • 工事申請
  • 施工管理
  • 完了確認

など最低限必要な業務があります。

この固定的な管理業務を小さな工事金額で割れば、管理費率が高く見えることがあります。

率だけではなく、実際の管理業務を確認してください。

6.B工事特有の申請・設備調整が含まれているか確認する

B工事では一般的な内装工事以上に、ビル側設備との調整が必要になる場合があります。

例えば、

  • 管理会社との工程協議
  • 工事申請
  • 施工図確認
  • 空調設備との接続調整
  • 防災設備との連動調整
  • 中央監視設備との調整
  • 完成検査
  • 竣工図作成

などです。

一般のC工事見積と直接比較できない理由になる

一般内装会社の見積には施工費だけが入り、B工事側にはビル管理・申請・設備連動まで含まれている場合があります。

この状態で、

「C工事会社なら500万円なのにB工事は700万円だから200万円高い」

と判断すると、比較条件が揃っていない可能性があります。

相見積もりについては、B工事で相見積もりは取れる?をご覧ください。

管理費に含む調整業務を列挙してもらう

見積確認時には、

  • 申請
  • 設備調整
  • 立会い
  • 試験
  • 完了検査

がどの費目へ含まれているか整理すると比較しやすくなります。

7.諸経費・共通仮設費等と重複していないか確認する

B工事見積で特に分かりにくいのが、

  • 管理費
  • 現場管理費
  • 共通仮設費
  • 一般管理費
  • 諸経費

が複数並んでいるケースです。

項目が複数あること自体は問題ではありません。

問題になるのは、同じ業務・費用が複数項目へ重複して含まれている場合です。

確認例

例えば、現場管理費に、

  • 現場監督
  • 安全管理
  • 交通費

が含まれているとします。

さらに「諸経費」の内訳にも、同じ現場監督・安全管理・交通費が含まれているなら、その関係を確認します。

共通仮設費と現場管理費も分ける

一般的な費用構造では、共通仮設費と現場管理費は異なる考え方です。

共通仮設費は工事に共通して必要となる仮設・安全・施設等の費用、現場管理費は現場を運営・管理するための費用として整理されます。

見積会社がどのように区分しているか確認してください。

諸経費全体の確認については、B工事の諸経費が高い?で詳しく整理しています。

8.工事範囲・工期変更後に再計算されているか確認する

B工事の減額・仕様見直しを行うと、直接工事費だけでなく管理負担も変わる場合があります。

例えば、

  • B工事範囲が縮小した
  • 設備台数が減った
  • 工期が短くなった
  • B工事の一部をC工事へ変更した

ケースです。

直接工事費だけ減らし、管理費が旧見積のままになっていないか

例えば、当初見積が、

工事費1,000万円

管理費150万円

だったとします。

工事内容見直し後、工事費が700万円まで下がったのに、管理費が150万円のままなら、

  • 管理業務が変わらないため固定なのか
  • 率計算を再計算していないだけなのか

を確認します。

管理費が必ず直接工事費と同じ割合で下がるとは限らない

一方で、工事費が30%減ったから管理費も30%減るとは限りません。

例えば、設備数量が減っても、

  • 管理者配置日数
  • 申請
  • 完了検査

が変わらなければ、管理費の一部は残ります。

重要なのは「下がるはず」と決めつけることではなく、再見積後の管理費がどの条件を前提としているのか確認することです。

B工事の管理費は何%なら適正?

民間B工事について、「現場管理費は○%」「管理費は○%以内」という全国一律の適正率はありません。

理由は、

  • 項目へ含める費用が会社ごとに違う
  • 工事規模が違う
  • 工期が違う
  • 施工時間が違う
  • 管理体制が違う
  • ビル固有の申請・調整業務が違う

ためです。

公共工事の率は参考資料として扱う

公共建築工事では工事規模・工期等を踏まえた現場管理費率等の積算方法があります。

しかし、それは公共工事の積算基準です。

民間B工事へ同じ率をそのまま適用し、超過分を不当と断定することは避けます。

管理費が高いと感じたら確認する順番

  1. 管理費の正式な項目名を確認する
  2. 含まれる業務を確認する
  3. 現場管理費と一般管理費等を分ける
  4. 算定基礎と率・積み上げを確認する
  5. 工期・夜間・管理人数を確認する
  6. 申請・設備調整の有無を確認する
  7. 諸経費等との重複を確認する
  8. 必要に応じて再見積・査定を行う

管理費だけを先に値切らない

「管理費が高いから半分にしてください」と最初から交渉すると、相手側からは根拠のない値下げ要求と受け取られる可能性があります。

先に、

  • 管理業務
  • 管理期間
  • 管理人数
  • 算定方法

を確認します。

そのうえで、例えば、

「工期が10日から6日に短縮されたので、管理費の算定も変わりますか」

「B工事項目が3項目減ったため、管理業務も再確認してください」

という形で確認します。

工事そのものの範囲を先に精査する

管理費だけを削るより、まず直接工事費の、

  • 不要工事
  • 過大数量
  • 過剰仕様
  • B工事からC工事へ変更できる部分

を確認した方が大きな削減につながる場合があります。

B工事減額全体については、B工事を減額する方法をご覧ください。

管理費を安易に削ってはいけない部分

管理費の中には、工事を安全かつ適切に実施するために必要な費用があります。

例えば、

  • 安全管理
  • 法定福利費
  • 適切な現場監督
  • 設備試験・確認

などです。

これらを「見えない費用だから不要」と一律に削減するのは適切ではありません。

見積確認の目的は、必要な費用をなくすことではなく、必要な費用と説明できない費用を分けることです。

第三者査定を使う方法もある

指定業者見積で、

  • 管理費の基準が分からない
  • 諸経費との関係が分からない
  • 工事項目が多すぎて自社で確認できない

場合は、第三者による見積査定を使う方法があります。

査定では、

  • 工事範囲
  • 数量
  • 単価
  • 管理費
  • 諸経費

を含めて確認します。

詳しくは、B工事の見積査定とは?をご覧ください。

B工事管理費のチェックリスト

  • 管理費の名称を確認した
  • 管理費に含む業務を確認した
  • 現場管理費を確認した
  • 一般管理費等を確認した
  • 共通仮設費との違いを確認した
  • 諸経費との違いを確認した
  • 算定対象額を確認した
  • 率計算か積み上げか確認した
  • 現場管理者の人数を確認した
  • 管理期間を確認した
  • 夜間・休日対応を確認した
  • 工事申請費を確認した
  • 設備調整・試験を確認した
  • 重複計上がないか確認した
  • 再見積後に管理費も更新されたか確認した

B工事の管理費についてよくある質問

B工事の管理費とは何ですか?

工程・安全・品質・施工会社間の調整など、工事を管理するための費用として使われる項目です。ただし会社によって名称・含有内容が異なるため、見積ごとに確認してください。

現場管理費とは何ですか?

工事現場を運営するために必要となる現場従業員、労務・安全管理、通信交通等の費用を含む考え方です。具体的な見積上の内容は施工会社へ確認してください。

一般管理費とは何ですか?

現場単体ではなく、施工会社の本店・支店等の人件費や会社運営費、利益などを含む費用として整理されることがあります。

現場管理費と諸経費が両方あるのは二重計上ですか?

必ずしも二重計上ではありません。諸経費が一般管理費等を中心にし、現場管理費を別計上している場合もあります。両方の含有項目を確認してください。

B工事の管理費は何%なら適正ですか?

民間B工事に全国共通の適正率はありません。工事規模・工期・管理体制・含有項目・算定基礎によって異なるため、率だけで判断しないようにします。

小規模工事なのに管理費率が高いのはおかしいですか?

必ずしもおかしいとは限りません。工事金額が小さくても、申請・現場確認・完了検査など一定の管理業務が必要なため、比率として高く見える場合があります。

管理費は値下げできますか?

工事範囲・工期・管理体制が変わった場合や、重複計上・過大な管理体制が確認された場合は再見積の余地があります。ただし必要な安全・施工管理費まで一律に削ることは避けてください。

指定業者の管理費でも内訳を確認できますか?

契約構造によって施工会社へ直接発注する関係ではない場合もありますが、貸主・管理会社を通じて管理費の内容や算定方法について説明を求めることは、見積判断の材料になります。

B工事の管理費は「高い・安い」より管理内容を確認する

B工事の管理費を見るときは、

  1. 何という管理費なのか
  2. 何の業務を含むのか
  3. 現場管理費と一般管理費等をどう分けているか
  4. 何を基準に計算したか
  5. 工期・管理人数はどの程度か
  6. B工事特有の申請・設備調整があるか
  7. 諸経費等と重複していないか
  8. 工事内容変更後に再計算されたか

を確認します。

管理費率が高く見えるから不当、低ければ適正というものではありません。

一方で、指定業者だからという理由だけで、「管理費一式」を説明なしに承認する必要もありません。

必要な施工管理・安全管理を確保したうえで、管理業務と金額の対応関係を確認できる状態にすることが重要です。

B工事の諸経費全体については、B工事の諸経費が高い?をご覧ください。

見積書全体については、B工事の見積内訳の見方で整理しています。

B工事見積全体が高い場合は、B工事の見積が高いと感じたら?をご覧ください。

現在のB工事見積で、現場管理費・一般管理費・諸経費が複数計上され、どこまでが必要な費用なのか整理できない場合は、お問い合わせから見積状況・工事内容・移転または退去予定をご連絡ください。

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