法人の複合機は買取できる?リース・データ消去・査定前の8項目

オフィスの移転・閉鎖・機器入れ替えで不要になった業務用複合機は、条件によっては中古機として買取してもらえる場合があります。

ただし、デスクやチェアなどのオフィス家具とは違い、複合機は「不要になったからそのまま売る」という進め方をしない方がよい設備です。

法人で使われている複合機には、購入品だけでなくリース契約中の機器が多くあります。

さらに、本体内部のHDD・SSDなどに、アドレス帳、設定情報、スキャン・FAX・印刷に関係するデータ等が保存される機種があります。

買取価格についても、新品価格だけでは決まりません。

メーカー・型式・年式に加えて、総印刷枚数を示すカウンター、印字状態、オプション、メンテナンス状況、搬出条件などが査定へ影響します。

法人の複合機売却では、査定額を調べる前に「そもそも自社が売却できる所有物か」と「データを安全に消去できるか」を確認することが重要です。

この記事では、法人が業務用複合機を売却するときに確認したい8項目と、最終的な買取金額を比較する方法を整理します。

複合機以外も含むOA機器・設備の売却については、設備・什器買取ガイドをご覧ください。

目次

法人の複合機は買取できる?

自社で購入し、自社に所有権がある業務用複合機であれば、中古市場の需要や機器状態によって買取対象になる場合があります。

代表的には、

  • カラー複合機
  • モノクロ複合機
  • A3対応業務用複合機
  • コピー・FAX・スキャン対応機
  • 高速出力対応機

などです。

一方、法人で使用している複合機だからといって、すべて自社所有とは限りません。

査定の前に「購入品かリース品か」を確認する

法人の複合機売却で最初に確認するのが所有権です。

自社購入品

会社が購入し、自社に所有権がある複合機であれば、原則として自社判断で売却を検討できます。

固定資産台帳、購入時の請求書、契約書などで確認します。

リース品

リース契約で導入した複合機は、一般にリース会社が所有しています。

そのため、会社が毎月リース料を払って使用していても、利用会社が自由に中古業者へ売却できるわけではありません。

リース中の複合機を自社の資産だと思い込んで買取業者へ渡さないようにしてください。

リース期間が終われば自動的に売れるとは限らない

「5年間のリース契約が終わったから自社の物になった」とは限りません。

契約終了時に、

  • 返却
  • 再リース
  • 別機種への入れ替え
  • 契約上認められた買い取り等

のどれになるかは契約内容によります。

所有権が正式に自社へ移っていることを確認してから売却します。

法人複合機の査定前に確認する8項目

  1. 所有権・リース契約
  2. メーカー・型式・年式
  3. カウンター枚数
  4. 動作状態・印字品質
  5. オプション・トナー・付属品
  6. 保守契約・メンテナンス履歴
  7. 内部データの消去
  8. 搬出・養生・運搬条件

1.所有権・リース契約

査定依頼前に、自社で売却可能な機器なのか確認します。

確認資料としては、

  • 固定資産台帳
  • リース契約書
  • 購入時の請求書
  • 販売店との契約書
  • リース会社からの書類

などがあります。

複数台ある場合は一台ずつ確認する

オフィスによっては、

  • 本社の複合機は購入品
  • 営業所の複合機はリース

というように契約が混在している場合があります。

型番・製造番号などを使い、一台ごとに所有関係を整理します。

2.メーカー・型式・年式

中古複合機の査定では、メーカー・型式・年式が重要です。

業務用複合機では、例えば、

  • 富士フイルムビジネスイノベーション
  • リコー
  • キヤノン
  • コニカミノルタ
  • シャープ
  • 京セラ
  • 東芝テック

など各社の製品が流通しています。

同じメーカーでも、シリーズ・印刷速度・カラー対応・セキュリティ機能等によって中古需要が異なります。

年式は新しい方が評価されやすい

複合機は、

  • セキュリティ
  • ネットワーク機能
  • クラウド連携
  • 省エネ性能
  • メーカー保守対応

などが更新されていくため、年式が新しいモデルの方が中古市場で需要を得やすい傾向があります。

ただし、「製造から5年を超えたら必ず売れない」など一律の線引きではありません。

査定依頼時に型番の写真を送る

複合機本体の銘板や型式表示を写真で撮ります。

査定時には、

  • メーカー
  • 正式型式
  • 製造番号
  • 製造年が分かる情報

を伝えると判断してもらいやすくなります。

3.カウンター枚数

業務用複合機では、総印刷枚数を示す「カウンター」が査定上重要です。

自動車でいえば走行距離に近い情報で、どの程度使用された機器なのかを判断する材料になります。

カウンターが少ない方が評価されやすい

同じ型式・同じ年式なら、一般には総印刷枚数が少ない個体の方が、内部部品の消耗が少ないと判断されやすくなります。

ただし、単純にカウンターだけで査定額が決まるわけではありません。

例えば、

  • 定期メンテナンスされている
  • 主要部品が交換済み
  • 印字状態が良好

なども確認されます。

カラーとモノクロのカウンターを確認する

機種によっては、カラー・モノクロなど複数のカウンターが確認できます。

査定業者から指定された画面を表示し、写真で送る方法もあります。

4.動作状態・印字品質

中古複合機として再販売するには、正常に使えることが重要です。

査定前に、可能な範囲で、

  • コピー
  • プリント
  • スキャン
  • FAX
  • 両面印刷
  • 給紙
  • タッチパネル

などを確認します。

印刷サンプルも査定材料になる

例えば、

  • 線が入る
  • 色ムラがある
  • 紙詰まりする
  • 異音がする

場合は査定へ影響します。

不具合がある場合も隠さず伝えます。

故障していても査定対象になる場合がある

動作不良があるから必ず買取不可とは限りません。

機種によっては、

  • 修理再販
  • 部品取り
  • 海外向け流通

などの需要がある場合があります。

処分を決める前に型式と状態を伝えて査定を依頼します。

5.オプション・トナー・付属品

複合機本体だけでなく、付属する設備も確認します。

例えば、

  • 増設給紙カセット
  • フィニッシャー
  • ソーター
  • 専用台
  • FAX機能
  • 無線LAN等のオプション

などです。

未使用トナーも契約関係を確認する

未使用の純正トナー等が残っていれば、査定材料になる場合があります。

ただし、保守契約の内容によっては、トナー・消耗品の扱いが決められている場合があります。

自社所有と確認できない消耗品を勝手に売却しないようにします。

6.保守契約・メンテナンス履歴

複合機は購入後も、販売店やメーカーとカウンター保守等の契約を結んでいることがあります。

機器本体の所有権と、保守サービス契約は別に確認します。

複合機を売っても保守契約が自動解約されるとは限らない

自社所有の複合機でも、

  • 保守契約の解約
  • 最終カウンター確認
  • 未使用消耗品の扱い
  • 保守部品の扱い

などが必要になる場合があります。

機器売却日と保守契約終了日を合わせて確認します。

メンテナンス履歴は査定材料になる場合がある

定期的に保守を受けていたことが分かれば、機器状態を判断する情報になります。

点検履歴・交換部品等の資料があれば、査定会社へ伝えます。

7.内部データを消去する

法人複合機で特に重要なのが情報セキュリティです。

現在の複合機には、機種によってHDDやSSD等の内部ストレージが搭載されています。

そこには、例えば、

  • アドレス帳
  • ユーザー情報
  • 機器設定
  • 蓄積文書
  • スキャンに関係するデータ
  • FAXに関係するデータ
  • 印刷処理に関係する一時データ

などが保存される可能性があります。

売却・返却前にデータ処理方針を決める

確認するのは、

  • 自社で消去する
  • メーカーへ消去を依頼する
  • 買取業者へ消去を依頼する
  • HDD・SSDを物理破壊する

など、どの方法を採用するかです。

「初期化」だけで十分とは限らない

複合機には、単純な設定初期化とは別に、保存データを上書き消去する機能を備えた機種があります。

社内の情報セキュリティ規程に応じて、メーカーが案内する適切な方法を使用します。

機密性の高い情報を扱っていた機器では、一般的な初期化だけで済ませず、消去方法・証明の必要性まで確認してください。

データ消去証明書を発行できるか確認する

法人では、単にデータを消しただけでなく、「適切な方法で処理した」という証跡が必要になる場合があります。

買取会社・メーカー等へ、

  • 消去方法
  • 消去場所
  • 作業者
  • 証明書発行の有無

を確認します。

個人情報・顧客情報・機密資料を扱っていた複合機では特に重要です。

リース機のデータ消去にも注意する

リース機はリース会社の所有物です。

そのため、HDD・SSDを勝手に取り外したり破壊したりできるとは限りません。

返却時のデータ消去方法について、リース会社・メーカー・販売店へ確認します。

8.搬出・養生・運搬条件

業務用複合機は大型・重量物です。

査定額が付いても、搬出条件が悪ければ作業費が増えることがあります。

確認されるのは、

  • 所在階
  • エレベーターの有無
  • 搬出用エレベーターの大きさ
  • 段差
  • 階段作業
  • 養生範囲
  • 搬出可能時間
  • トラックの駐車位置

などです。

査定額と最終受取額を分ける

例えば複合機の買取査定が10万円でも、

  • 特殊搬出費
  • 階段作業費
  • 夜間搬出費
  • 養生費

などが差し引かれるなら、実際に受け取れる金額は小さくなります。

査定比較では最終精算額を確認します。

法人複合機の買取価格はどう決まる?

主に、

  • メーカー
  • 機種
  • 年式
  • カウンター
  • カラー・モノクロ
  • 印刷速度
  • 機能
  • 動作状態
  • 外観
  • オプション
  • 中古市場の需要

などから判断されます。

買取相場は一つの金額に固定しない

2026年の買取業者による公開例を見ると、年式が古くカウンターの多い業務用機は数万円程度、新しく人気のあるA3カラー複合機では10万円台になる例があります。

ただし、これはあくまで各事業者が示す参考例です。

同じシリーズでも、

  • カウンター
  • 状態
  • 地域
  • 在庫状況
  • 中古需要
  • 搬出条件

によって査定は変わります。

「A3カラーなら10万円」と固定して考えないようにします。

複合機を高く売るために行うこと

不要になったら早めに査定する

複合機は時間が経つほど新しいモデルが発売されるため、売却を決めている場合は早めに査定します。

型式・年式を正確に伝える

本体ラベルの写真を撮ります。

カウンター画面を撮影する

業者が確認しやすい情報を最初から送ります。

印字状態を確認する

不具合があれば先に伝えます。

オプションをまとめる

フィニッシャー・給紙カセット等を本体と一緒に査定します。

保守履歴を準備する

メンテナンス状況が分かる資料があれば伝えます。

複数台をまとめる

支店統合・オフィス閉鎖等で複数台ある場合は、一括査定できる会社もあります。

複数業者を比較するときの確認項目

  • 本体買取額
  • オプション買取額
  • 搬出費
  • 養生費
  • 車両費
  • データ消去費
  • データ消去証明書費
  • キャンセル条件
  • 買取不可の場合の処分費

最高査定額ではなく最終差額を見る

例えば、

A社 B社
本体査定 15万円 12万円
搬出等 5万円 0円
データ消去 2万円 込み
最終受取額 8万円 12万円

なら、本体査定額が高いA社よりB社の方が最終的には有利です。

複合機の法人買取では「本体をいくらで買うか」ではなく「安全に撤去・データ処理まで終えた後、いくら残るか」で比較してください。

買取・返却・処分の3つを比較する

不要な複合機の扱いは、買取だけではありません。

買取

自社所有で中古価値がある機器なら売却を検討します。

リース会社へ返却

リース機は契約に従って返却します。

処分

自社所有でも、古い・故障している・需要がない等の理由で買取できなければ適切に処分します。

「買取不可=無料処分」とは限らない

大型複合機は搬出・運搬にもコストがかかります。

買取できない場合、

  • 撤去費
  • 運搬費
  • 処理費
  • データ消去費

が必要になることがあります。

査定時に、買取不可だった場合の費用まで確認します。

オフィス移転なら複合機だけで判断しない

移転時には、

  • 複合機
  • PC
  • モニター
  • ビジネスフォン
  • サーバー
  • ネットワーク機器
  • オフィス家具

など多数の設備があります。

個別に売る方が高い場合もあれば、OA機器・家具をまとめて一括査定した方が搬出コストと担当者工数を減らせる場合もあります。

オフィス家具については、オフィス家具は買取できる?をご覧ください。

売却時期は原状回復工程から逆算する

大型複合機が残ったままだと、床・壁・配線等の原状回復工事へ影響する場合があります。

そのため、

業務終了 → データ消去 → 複合機搬出 → 家具・OA機器撤去 → 原状回復 → 貸主検査

という順序を整理します。

オフィス退去費用全体については、オフィス退去費用はいくら?をご覧ください。

複合機の法人買取チェックリスト

  • 購入品かリース品か確認した
  • 固定資産台帳と照合した
  • リース契約終了条件を確認した
  • メーカーを確認した
  • 正式型式を確認した
  • 製造年を確認した
  • カウンターを確認した
  • コピー・印刷状態を確認した
  • オプションを確認した
  • トナー等の所有関係を確認した
  • 保守契約を確認した
  • 保守終了手続きを確認した
  • データ消去方法を決めた
  • 消去証明書の必要性を確認した
  • 搬出経路を確認した
  • 養生条件を確認した
  • 買取額と各種費用を確認した
  • 最終受取額を比較した

法人の複合機買取についてよくある質問

法人で使っている複合機は売れますか?

自社所有で、中古市場で需要のある機種なら買取対象になる場合があります。メーカー、年式、カウンター、状態等によって査定されます。

リース中の複合機は売れますか?

通常はリース会社が所有しているため、自社判断では売却できません。契約書とリース会社へ確認してください。

リース満了後なら売却できますか?

満了しただけで自動的に自社所有になるとは限りません。契約上、正式に所有権が自社へ移転している場合に売却を検討できます。

何年前の複合機まで売れますか?

一律の年数基準はありません。新しい方が評価されやすい傾向がありますが、機種、需要、状態、カウンター等によって変わります。

カウンター枚数は査定に影響しますか?

影響します。同型・同年式なら、一般に印刷枚数が少ない機器の方が内部消耗が少ないと評価されやすくなります。

売却前にデータ消去は必要ですか?

HDD・SSD等を搭載している複合機では、社内情報が残る可能性があります。自社のセキュリティ方針とメーカーの手順に沿って適切に消去してください。

本体の初期化だけでデータは消えますか?

機種・初期化方法によります。設定リセットとストレージの上書き消去は同じとは限りません。メーカーが提供する一括消去機能やデータ消去サービス等を確認してください。

データ消去証明書は必要ですか?

すべての企業に一律必須というものではありませんが、自社の情報セキュリティ規程・顧客との契約・監査要件等によって証跡が必要になる場合があります。

複合機の搬出も買取会社に頼めますか?

大型複合機の出張買取・搬出に対応する業者があります。階段、エレベーター、夜間搬出、養生などによって追加費用が発生する場合があるため事前確認してください。

複数台まとめて売れますか?

法人の複数台買取へ対応する業者があります。本社・支店統合等では台数、設置場所、型式をまとめて提示すると査定しやすくなります。

法人の複合機売却は「所有権」と「データ」を最初に確認する

法人が複合機を買取へ出す際に確認するのは、

  1. 所有権・リース
  2. メーカー・型式・年式
  3. カウンター
  4. 動作・印字状態
  5. 付属品・オプション
  6. 保守契約
  7. 内部データ
  8. 搬出条件

です。

特に法人では、リース品を誤って売却しないことと、複合機内部に残る情報を適切に処理することが重要です。

そのうえで、年式・カウンター・機種・状態などを査定してもらいます。

比較するときは査定価格だけではなく、搬出・養生・データ消去などを終えた後の最終受取額で判断してください。

設備・OA機器の売却全体については、設備・什器買取ガイドをご覧ください。

オフィス家具の売却については、オフィス家具は買取できる?で整理しています。

オフィス移転全体の費用については、オフィス移転費用はいくら?をご覧ください。

現在複数台の複合機があり、購入品・リース品が混在している、データ消去や搬出費を含めてどの売却方法がよいか整理できない場合は、お問い合わせから台数・型式・契約状況・移転または閉鎖予定をご連絡ください。

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