オフィスの移転・縮小・閉鎖では、デスクやチェアだけでなく、書庫、会議テーブル、複合機、パソコン、モニター、電話機、ネットワーク機器、家電、備品など、多くの物が不要になります。
これらを最初からすべて「処分品」として扱う必要はありません。
中古市場で再利用できる物であれば、家具・OA機器・事務機器・備品などをまとめて買取査定できる場合があります。
特に点数が多いオフィスでは、処分業者を呼ぶ前に買取可能な物を分けることで、廃棄物量や撤去費を減らせる可能性があります。
ただし、オフィスに置いてある物がすべて自社所有とは限りません。リース・レンタル品や貸与品、データを保存しているIT機器などは、一般の家具と同じ方法で売却できないため注意が必要です。
この記事では、オフィス移転・閉鎖で出る不用品を、再利用・返却・買取・処分へ分け、一括査定から搬出まで進める方法を整理します。
オフィスの不用品は、捨てる前に4つへ分ける
最初から「売れる物」と「捨てる物」の2種類だけに分けるのではなく、次の4つに分類すると整理しやすくなります。
- 新オフィスや他拠点で再利用する物
- リース・レンタル・貸与先へ返却する物
- 買取・リユースへ回す物
- 処分・リサイクルする物
この仕分けをせずに一括処分を依頼すると、まだ再利用できる家具やOA機器まで処分対象にしてしまう可能性があります。
反対に、売却できない物をいつまでも買取候補として残していると、退去期限直前に大量の処分品が残ることもあります。
まず所有関係と再利用予定を整理し、その後に査定へ進みます。
オフィスで買取対象になりやすい物
実際に買取できるかはメーカー、型番、年式、状態、数量、中古需要、搬出条件などによって変わりますが、オフィスでは次のような物が査定対象になることがあります。
オフィス家具・什器
- オフィスチェア
- デスク
- 会議テーブル
- 書庫
- キャビネット
- ロッカー
- ワゴン
- 応接家具
- 受付家具
- パーテーション
家具の査定について詳しく確認したい場合は、オフィス家具の買取を参考にしてください。
OA・IT機器
- パソコン
- モニター
- 複合機・プリンター
- サーバー
- ネットワーク機器
- ビジネスフォン
- タブレット
- 周辺機器
OA・IT機器は家具とは査定ポイントが異なり、データやアカウントの処理も必要です。
詳しくはオフィスのOA機器買取を確認してください。
その他の備品・業務用品
業種や買取業者によっては、家電、事務機器、AV機器、業務用機器、未使用備品などが対象になることがあります。
ただし「オフィスにある物なら何でも売れる」という意味ではありません。再販需要がなく、搬出費の方が高くなる物もあります。
一番先に確認するのは「誰の所有物か」
査定を依頼する前に、オフィス内の物の所有者を確認します。
特に注意したいのは次の物です。
- リース品
- レンタル品
- サブスクリプション契約品
- メーカー等からの貸与品
- ビル・貸主所有設備
- 保守契約と一体になった機器
リース中の物件は、自社が使用していても自社所有ではないことがあります。
そのため、資産台帳、リース契約書、レンタル契約、購入記録などを確認し、自社が売却できる物だけを査定対象にします。
リース中の家具については、リース中のオフィス家具の返却も参考にしてください。
一括買取と専門業者への分離はどちらがよい?
オフィスの不要資産を売却する方法は、大きく分けて2つあります。
家具・OA機器などをまとめて一括査定する
一つの窓口で家具、什器、OA機器、備品などを査定してもらう方法です。
メリットは、担当者の手配負担を減らしやすいことです。
- 現地調査をまとめやすい
- 搬出日を一本化しやすい
- 買取不可品も同時に相談しやすい
- 退去スケジュールを管理しやすい
一方で、すべての品目に同じ業者が強いとは限りません。
家具・IT機器などを専門業者へ分ける
ブランド家具や大量のOA・IT機器など、特定品目の価値が大きい場合は専門業者へ分けて査定する方法もあります。
例えば、家具は家具専門業者、サーバー・PCはIT機器専門業者へ依頼することで、それぞれの中古市場に合った査定を受けやすくなる可能性があります。
ただし、業者数を増やすほど査定、搬出、ビル申請、立会い等の調整は増えます。
「査定額」ではなく最終受取額で比較する
法人のオフィス買取では、提示された買取額だけで業者を比較しない方がよいでしょう。
実際の精算には、次のような費用が関係することがあります。
- 解体費
- 取り外し費
- 搬出費
- 養生費
- 階段作業費
- 車両費
- データ消去費
- 証明書発行費
- 買取不可品の回収・処分費
例えば買取額が高くても、搬出・撤去費が大きければ最終的な受取額は小さくなることがあります。
反対に買取単価が多少低くても、撤去・搬出・処分をまとめて行えることで、全体費用が小さくなる場合もあります。
「買取額-必要な作業費・処分費」で最終的にいくら残るかを確認します。
査定前に資産一覧を作る
大量の不用品がある場合は、業者を呼ぶ前に簡単な一覧を作っておくと査定を進めやすくなります。
可能な範囲で次を整理します。
- 品目
- メーカー
- シリーズ・型番
- 数量
- 購入時期・使用期間
- 動作状態
- 傷・破損
- 付属品
- 設置場所
- 自社所有・リース等の区分
全品について詳細な表を作る必要がないケースでも、点数が多い場合は一覧があると一括査定と専門査定の振り分けがしやすくなります。
写真査定では何を撮る?
現地査定前に写真で概算を確認できる業者もあります。
写真を送る場合は、次のような情報が分かるようにします。
- 全体像
- メーカー名
- 型番ラベル
- 傷や破損部分
- 付属品
- 同じ製品の数量
- 設置状況
- 搬出経路
大型家具や機器の場合は、品物そのものだけでなく、入口、通路、エレベーターなどの搬出条件も見積へ影響することがあります。
OA・IT機器はデータ処理を先に決める
PC、サーバー、複合機など、データを保存する機器は家具と同じ感覚でそのまま引き渡さないようにします。
売却前には社内の情報システム担当者等と、次を確認します。
- 必要なデータのバックアップ
- 業務アカウントの整理
- 資産台帳・シリアル番号との照合
- 個人情報・機密情報の削除
- 削除方法
- データ消去を業者へ委託するか
- 消去作業の確認方法
- 必要に応じた証明書等の取得
個人データを削除する場合は、容易に復元できない方法で処理する必要があります。
データ消去を外部へ委託する場合も、「業者がやってくれるから大丈夫」と任せきりにせず、委託先の処理方法や確認方法を整理します。
複合機・サーバー・PCは家具と分けた方がよい場合がある
一括買取業者がOA・IT機器にも対応していればまとめて査定できますが、台数が多い場合や機密情報を扱う機器では、IT機器専門業者を比較する価値があります。
特に確認したいのは次の点です。
- データ消去方法
- 機器管理・保管方法
- 搬出時の管理
- 再販・リユース方法
- 買取不可機器の処理方法
- 証跡・証明書の有無
OA・IT機器の詳細については、法人のOA機器買取へ分けて確認してください。
リース・レンタル品は査定リストから外す
複合機、電話設備、パソコン、家具などにはリース・レンタル契約が残っていることがあります。
リース会社等の所有物を自社資産だと思って買取へ出さないよう、契約を確認します。
また、閉鎖や移転を理由にリース契約が自動的に終了するとは限りません。
契約期間、中途解約、返却方法、移設可否、残期間の扱いなどを契約先へ確認してください。
買取できない物はどうする?
査定した結果、値段が付かない物もあります。
その場合は、次の出口を検討します。
- 社内別拠点で再利用
- 返却
- リユース・無償譲渡
- 適切な事業系廃棄物処理
- メーカー等の回収・リサイクル制度
オフィス内の不要物をすべて家庭向けの粗大ごみと同じ方法で処理できるわけではありません。
処分方法を決める場合は、オフィスの不用品処分も確認してください。
法人PCが売れなかった場合はメーカー回収も確認する
企業や法人から排出されるパソコンは「事業系パソコン」として、メーカーによる回収・リサイクル制度があります。
買取できなかったPCを処分するときは、メーカー回収、IT機器処理業者、リユース業者など、自社の機器と目的に合うルートを確認します。
PC以外のOA機器まで同じ制度がそのまま適用されるとは限らないため、プリンター、複合機、ネットワーク機器等は個別に処理方法を確認してください。
家具の「買取」と「処分」を同時に頼む場合
デスク、チェア、書庫、ロッカーなど、売れる家具と売れない家具が混在している場合は、一つの業者へ買取と処分をまとめて依頼できることがあります。
この場合は、見積書で次を分けて確認します。
- 買取対象
- 買取額
- 買取不可品
- 搬出費
- 回収費
- 処分費
- 養生等の作業費
- 最終精算額
家具に限定して買取と処分を同時に進めたい場合は、オフィス家具の買取と処分を確認してください。
一括買取業者を比較するときの確認項目
オフィスの不要資産をまとめて依頼する場合は、次を確認します。
- どの品目を自社で査定できるか
- 専門外の品目を再委託するか
- 買取不可品の回収・処分にも対応するか
- OA・IT機器のデータ消去に対応するか
- 搬出・解体・養生まで対応するか
- ビルの搬出ルールへ対応できるか
- 買取額と各種費用を分けて提示するか
- 回収・買取後の処理方法を説明できるか
「全部まとめて対応できる」という言葉だけでなく、実際に誰がどの品目を査定・搬出・処理するのか確認します。
査定は移転・閉鎖直前ではなく早めに行う
オフィスの不用品買取は、引越し当日や原状回復工事直前に初めて依頼すると、選択肢が減ることがあります。
大量の家具・OA機器がある場合は、次の工程との調整が必要だからです。
- 新オフィスへ持っていく物の確定
- リース・レンタル品の返却
- 買取査定
- データ消去
- 搬出申請
- エレベーター予約
- 養生
- 買取不可品の処分
- 残置物撤去
- 原状回復工事
オフィス移転全体の工程は、オフィス移転のチェックリストも参考にしてください。
買取と原状回復の順番にも注意する
家具やOA機器を撤去した後でなければ、原状回復工事へ進めない場所があります。
一方で、固定された設備や造作物を勝手に外すと、建物や貸主設備へ影響することがあります。
買取業者へ依頼する範囲と、原状回復・内装工事業者が撤去する範囲を先に分けてください。
退去直前に室内を空にする工程については、オフィスの残置物撤去で確認できます。
オフィス不用品買取で起こりやすい失敗
リース品まで買取査定へ出す
使用している会社と所有者が同じとは限りません。契約書・資産台帳を確認します。
家具だけ査定してOA機器をそのまま捨てる
OA・IT機器にも中古価値が残っている可能性があります。処分前に売却可能性を確認します。
PCをデータが入ったまま引き渡す
バックアップ、アカウント整理、データ消去、処理証跡等を事前に決めます。
最高買取額だけで業者を選ぶ
搬出・解体・養生・データ消去・処分費を含めた最終差額を比較します。
原状回復直前まで査定を後回しにする
買取不可品の処分期間がなくなり、退去工程へ影響する可能性があります。
オフィス不用品買取FAQ
オフィス家具とOA機器をまとめて査定できますか?
家具とOA機器の両方を扱う法人向け買取業者があります。
ただし、品目によって得意分野が異なるため、価値の高いIT機器やブランド家具等は専門業者との比較も検討できます。
古いオフィス家具でも売れますか?
年式だけで一律には判断できません。
メーカー、シリーズ、状態、数量、中古需要、搬出条件等によって査定結果が変わります。
OA機器のデータ消去は買取業者へ任せられますか?
データ消去サービスを提供する業者もあります。
ただし、会社側でもバックアップ、アカウント処理、委託先の消去方法、証跡の確認などを行い、情報管理を任せきりにしないことが重要です。
リース中の家具や複合機を売れますか?
自社所有でなければ勝手に売却できません。
リース・レンタル・貸与品は契約先へ返却や移設、中途解約等の手続きを確認してください。
一括買取と専門業者への分離はどちらが高く売れますか?
案件によって異なります。
専門業者への分離で個々の査定額が上がる場合がある一方、搬出・手配・処分をまとめることで全体コストを抑えやすい場合もあります。
査定額だけでなく最終受取額と担当者の調整負担も含めて比較します。
買取できない物も同じ業者に処分してもらえますか?
買取と回収・処分の両方に対応する業者もあります。
ただし、廃棄物の種類や処理方法によって必要な許可・処理ルートが異なるため、買取不可品を誰がどのように処理するのか確認してください。
オフィス閉鎖の何日前に査定すればよいですか?
一律の期限はありません。
物量、ビル搬出条件、データ消去、リース返却、原状回復工事などによって必要期間が変わります。
退去日の直前ではなく、移転先へ持っていく物が決まった段階で査定候補を整理すると進めやすくなります。
オフィスの不用品は「処分する前」に資産として確認する
オフィス移転・閉鎖で不要になる物は、すべてを処分費のかかる不用品として扱う必要はありません。
まず新拠点で再利用する物、リース・レンタルで返却する物、自社所有で売却できる物、処分する物へ分けます。
売却候補については、家具・什器・OA/IT機器・備品をまとめて査定する方法と、価値の高い品目だけ専門業者へ分ける方法を比較します。
OA・IT機器はデータ処理を先に決め、見積では買取額だけでなく、搬出・養生・データ消去・処分費を差し引いた最終受取額を確認してください。
買取できなかった物は、退去期限までに適切な処分・リサイクルへ切り替えます。
家具・OA機器・備品が混在するオフィスの一括査定や、買取と処分を含む搬出計画を整理したい場合は、お問い合わせから相談できます。
