オフィス移転のB工事が高いときは?見積が膨らむ理由と発注前の確認7項目

オフィス移転の予算を組んでいると、内装会社の見積とは別にビル指定業者からB工事見積が届き、「想定していたよりかなり高い」と気付くことがあります。

特に注意したいのは、B工事費が単純にオフィスの広さだけで決まるわけではないことです。

会議室や個室を増やした結果、空調、防災、照明、電源などの変更が連動して発生し、内装工事より後からB工事費が大きく膨らむことがあります。

そのため、オフィスのB工事が高いと感じたときは、指定業者の単価だけではなく、「どのレイアウトが、どの設備工事を発生させているのか」まで戻って確認することが重要です。

この記事では、新オフィスへの入居・移転を中心に、旧オフィスの退去も含めて、B工事見積が高くなったときに発注前に確認したいポイントを整理します。

B工事そのものの仕組みから確認したい場合は、先にB工事・指定業者の総合ガイドをご覧ください。

目次

オフィス移転でB工事が高くなりやすい理由

B工事では、費用をテナント側が負担する一方で、建物側が指定する施工会社によって工事を行うケースがあります。

そのため、一般的な内装工事のように同じ工事について複数社を競わせ、その中から施工会社を選ぶことが難しい場合があります。

ただし、オフィスのB工事費が高くなる理由はそれだけではありません。

オフィス移転では、内装レイアウトと建物設備が密接に関係しています。

例えば、

  • 会議室を増やす
  • 個室を増やす
  • サーバールームを作る
  • 執務席を増やす
  • 受付を新設する
  • セキュリティ区画を増やす

といったレイアウト変更によって、別の設備工事が発生します。

結果として、内装会社のC工事見積は予算内でも、後からB工事を合算すると移転予算を大きく超えることがあります。

会議室を1室増やすだけでもB工事が連動することがある

例えば、広い執務スペースの一部を天井まで届く間仕切りで囲み、会議室を新設するとします。

内装工事だけを考えると、必要なのは間仕切り壁やドア程度に見えるかもしれません。

しかし、区画を新たに作ることで、

  • 空調の吹出口・吸込口
  • スプリンクラー
  • 煙感知器・熱感知器
  • 非常照明
  • 照明
  • コンセント・電源
  • セキュリティ設備

などの配置変更が必要になる場合があります。

これらが建物側指定工事であれば、その分だけB工事費が増えます。

つまり、「会議室の内装費」だけでなく、その会議室によって発生する設備工事まで含めて予算を見る必要があります。

オフィスのB工事見積が高いときに確認する7項目

  1. 工事区分表で本当にB工事か確認する
  2. レイアウトがB工事を増やしていないか確認する
  3. 設備ごとの数量を確認する
  4. 仕様が必要以上になっていないか確認する
  5. 一式・管理費・諸経費の中身を確認する
  6. 設計変更・B/C工事の切り分けを検討する
  7. 発注前に再見積・査定を行う

1.工事区分表で本当にB工事か確認する

最初に確認したいのは、見積に入っている工事が本当にB工事として指定されているのかです。

オフィスビルでは、賃貸借契約書とは別に工事区分表や館内工事規則が用意されていることがあります。

工事区分表では、例えば、

  • 空調
  • 電気
  • 消防設備
  • 給排水
  • セキュリティ
  • 内装

について、誰が施工するのかを分けています。

重要なのは、A・B・Cという名称だけで判断しないことです。

同じ「照明工事」でも、ビルによってテナント側施工でよい場合もあれば、指定業者施工になる場合もあります。

そのため、見積書と工事区分表を並べ、B工事として計上されている項目を一つずつ確認します。

2.レイアウトがB工事を増やしていないか確認する

オフィスB工事で特に重要なのが、レイアウトとの関係です。

例えば、個室を増やした結果、

  • 空調吹出口を増設する
  • 感知器を移設する
  • スプリンクラーを追加する
  • 照明回路を変更する

のであれば、B工事費の原因は単価だけではありません。

レイアウトそのものがB工事を増やしています。

この場合は、施工会社へ「値下げしてください」と依頼するだけでなく、内装設計側と一緒にレイアウトを見直す方法があります。

天井まで完全に区切る必要があるか

例えば、すべてのミーティングスペースを天井まで完全に区切る必要があるか確認します。

用途によっては、オープンミーティングスペースや別の間仕切り方法へ変更できる場合があります。

ただし、遮音性、プライバシー、空調、防災、避難計画などとの兼ね合いがあります。

単純に工事費だけで決めず、その部屋に必要な機能を整理したうえで設計を調整します。

3.設備ごとの数量を確認する

工事自体が必要でも、数量が正しいかは別問題です。

オフィスB工事では、例えば次の数量を確認します。

  • 空調吹出口の数
  • 空調吸込口の数
  • スプリンクラーヘッド数
  • 感知器数
  • 照明器具数
  • 電源回路数
  • コンセント数
  • 配線・配管距離
  • セキュリティ機器数

レイアウト図と設備図を照合し、何をどこへ追加・移設する見積なのか確認します。

例えば感知器が10個計上されているのであれば、図面上で対象位置を確認できる状態にします。

単価交渉より先に数量の根拠を見ることで、見積のどこに費用が集中しているか分かります。

4.仕様が必要以上になっていないか確認する

数量が適切でも、機器や施工仕様によって費用は変わります。

例えば、

  • 照明器具
  • セキュリティ機器
  • 設備部材
  • 制御機器
  • 配線・配管仕様

などです。

建物指定仕様の場合は変更できないことがあります。

一方、必要性能を満たす別仕様が認められるなら、VEとして再検討できる場合があります。

その場合は、

「このメーカー・型式が建物指定でしょうか」

「同等性能の別仕様で再見積できますか」

と確認します。

5.一式・管理費・諸経費の中身を確認する

B工事見積には、設備工事費以外にも、

  • 施工管理費
  • 現場管理費
  • 共通仮設費
  • 工事申請費
  • 夜間立会い
  • 養生費
  • 諸経費

などが入る場合があります。

オフィスビルでは、他テナントへの影響を避けるため、施工時間、搬入ルート、エレベーター利用、設備停止など細かなルールが設定されていることがあります。

これらに対応する管理費用が発生すること自体は不自然ではありません。

ただし、金額が大きい場合は、

  • 何の業務を含むか
  • 他の管理費と重複していないか
  • 夜間・休日対応が本当に必要か
  • 工事期間を変更した場合に変動するか

を確認します。

B工事見積全体の読み方は、B工事の見積が高いときに確認する7項目でも整理しています。

6.設計変更やB/C工事の切り分けを検討する

オフィスB工事では、指定業者そのものを変更するより、設計や工事区分を調整した方が費用へ影響する場合があります。

例えば、

  • 会議室数を整理する
  • 間仕切り方法を変更する
  • 設備移設が少ないレイアウトへ変更する
  • B工事が必要な範囲だけ指定業者に残す
  • テナント側で施工できる部分をC工事へ分ける

といった方法です。

ただし、C工事へ自由に変更できるとは限りません。

建物設備、安全性、保証、管理上の理由から、指定施工が必要な部分もあります。

変更を検討する場合は、管理会社・貸主の承認を得ながら進めます。

C工事の設計を確定しすぎる前にB工事費を見る

オフィス移転でありがちな失敗は、内装レイアウトをほぼ確定した後でB工事見積を取得することです。

その時点でB工事が予算を大きく超えていても、すでに、

  • 席数
  • 会議室数
  • 個室数
  • 家具配置
  • 運用計画

まで決まっていると、設計を戻すことへの抵抗が大きくなります。

可能であれば、レイアウトの基本案ができた段階でB工事概算を確認し、内装C工事とB工事を合わせた総額で設計を判断します。

7.正式発注前に再見積・査定を行う

工事区分、数量、仕様、レイアウトまで確認しても高い場合は、指定業者へ再見積を依頼します。

このとき、

「高いので安くしてください」

だけではなく、

  • 削除した工事項目
  • 変更した数量
  • 変更した仕様
  • 変更したレイアウト
  • C工事へ切り分けた部分

を明確にして再積算を依頼します。

何を変更した結果、いくらになったのかを確認できる状態にします。

自社で判断できない場合は第三者査定を検討する

オフィスのB工事には、空調、電気、防災、セキュリティなど複数の専門工事が含まれることがあります。

総務担当者が見積書を読んでも、数量や単価が適切か判断できないケースはあります。

特に、

  • 工事総額が大きい
  • 一式項目が多い
  • 設備工事の比率が高い
  • 指定業者しか施工できない
  • 社内に建築・設備担当者がいない

場合は、第三者による見積査定を検討する方法があります。

詳しくはB工事の見積査定とは?をご覧ください。

他社見積は「その会社へ発注するため」だけに使うものではない

B工事では指定業者が決まっているため、別会社へ相見積もりを依頼しても、その会社へ直接発注できない場合があります。

それでも、同じ工事範囲を別会社へ積算してもらえば、

  • 数量
  • 単価
  • 工事項目
  • 施工方法

に大きな差がないかを見る参考にはなります。

ただし、一般施工会社の見積には、ビル固有の夜間施工、申請、立会い、設備停止などが含まれていないことがあります。

総額だけで単純比較せず、条件差を確認します。

新オフィスだけでなく旧オフィスのB工事も同時に見る

オフィス移転では、新しいオフィスの入居工事だけを予算化してはいけません。

旧オフィス側でも、退去時の原状回復に、

  • 電気設備
  • 空調設備
  • 消防設備
  • セキュリティ設備

などの指定工事が発生することがあります。

つまり、移転時には、

  1. 新オフィスのB工事
  2. 新オフィスのC工事
  3. 旧オフィスの原状回復
  4. 旧オフィスの指定工事・B工事

をまとめて予算管理する必要があります。

一方だけを見ていると、移転総額が後から膨らみます。

オフィス移転のB工事は物件選びの段階でも確認できる

B工事費を抑える最大のタイミングが、契約前になる場合もあります。

候補物件を比較するときは、賃料や敷金だけでなく、

  • 工事区分表
  • B工事の対象範囲
  • 指定施工会社
  • 空調方式
  • 電気容量
  • 防災設備
  • 入居工事ルール

なども確認します。

賃料が安い物件でも、希望レイアウトを実現するためのB工事が大きければ、移転初期費用は高くなる可能性があります。

逆に、設備やレイアウト条件が合っている物件なら、大規模なB工事を避けられる場合があります。

坪単価だけでB工事が高いか判断しない

オフィスB工事でも坪単価を使った相場情報があります。

ただし、同じ100坪でも、

  • オープンな執務室中心
  • 会議室10室
  • 役員個室多数
  • サーバールームあり
  • セキュリティ区画多数

ではB工事内容が大きく異なります。

坪単価は初期予算を見る目安として使い、目の前の見積を判断するときは設備ごとの数量と仕様を確認します。

B工事の値下げだけで移転予算を考えない

オフィス移転で最終的に重要なのは、B工事単体を最低価格にすることではなく、移転全体を適切な予算で完了することです。

例えば、B工事を減らすためにレイアウトを変更した結果、

  • 執務効率が大きく落ちる
  • 会議室が不足する
  • 遮音性が足りない
  • 将来の増員に対応できない

のであれば、単純なコスト削減が最適とは限りません。

必要な機能を明確にしたうえで、不要な工事だけを削ることが大切です。

発注を遅らせすぎない

見積が高いからといって、無期限に査定や設計変更を続けることもできません。

B工事には、

  • 施工図作成
  • 建物側承認
  • 資材手配
  • 職人手配
  • 工程調整
  • 設備停止調整

などが必要になることがあります。

発注が遅れると、新オフィスの開業日や旧オフィスの退去日へ影響します。

価格確認と同時に、いつまでなら設計変更や再見積が可能なのか確認します。

オフィスB工事が高い場合によくある質問

オフィスのB工事はなぜ高いのですか?

指定業者による施工で価格競争が働きにくいことに加え、空調・防災・電気など建物設備へ関わる工事、夜間作業や管理業務などが含まれるため、一般的な内装工事より高く見える場合があります。

会議室を増やすとB工事費も増えますか?

増える場合があります。間仕切りによって空調、防災、照明などの配置変更が必要になれば、その設備工事がB工事となることがあります。

B工事会社を変更できますか?

物件ごとの契約・工事区分によります。指定施工が条件になっている場合、借主だけで変更するのは難しいことがあります。詳しくはB工事の指定業者は変更できる?をご覧ください。

B工事でも相見積もりは取れますか?

別会社へ参考見積を依頼できる場合はありますが、その会社へ直接施工を発注できるとは限りません。価格比較というより、現在の数量・工事項目・単価を確認する資料として使う場合があります。

レイアウト変更でB工事費を下げられますか?

設備変更が少なくなるレイアウトへ変更できれば、B工事範囲が減る場合があります。ただし、必要な空調・防災・安全条件を満たす必要があります。

B工事費は発注後でも減額できますか?

発注後でも変更できるケースはありますが、資材・人員手配後はキャンセル費や変更費が発生する可能性があります。できるだけ正式発注前に確認します。

旧オフィスの退去でもB工事はありますか?

あります。原状回復時に空調、電気、防災設備などを建物指定業者が復旧する場合、退去側でも指定工事・B工事費が発生することがあります。

オフィスのB工事が高いときはレイアウトまで戻って確認する

オフィス移転のB工事費が高いと感じたときは、単価だけを見ないことが重要です。

確認する順番は、

  1. 工事区分表を確認する
  2. レイアウトがB工事を増やしていないか確認する
  3. 設備ごとの数量を確認する
  4. 仕様を確認する
  5. 一式・管理費・諸経費を確認する
  6. 設計変更やB/C工事の切り分けを検討する
  7. 正式発注前に再見積・第三者査定を行う

です。

オフィスでは、C工事のレイアウトがB工事費へ直接影響することがあります。

内装見積とB工事見積を別々に見るのではなく、移転全体の予算として同時に確認することが重要です。

B工事見積そのものの確認項目については、B工事の見積が高いと感じたら?をご覧ください。

B工事費全体の見直し方は、B工事を減額する方法で整理しています。

オフィス退去・移転全体の進め方については、オフィス退去・移転ガイドをご覧ください。

すでにビル指定業者からB工事見積を受け取っており、自社だけではレイアウト・設備数量・工事区分のどこに見直し余地があるのか判断できない場合は、お問い合わせから現在の状況をご連絡ください。

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