オフィス移転は何ヶ月前から?契約確認から逆算するスケジュール

オフィス移転は、「6か月前から始めればよい」と一律に決められるものではありません。

現オフィスの解約予告期間、新オフィスを探す期間、内装やB工事、インターネット回線、引越し、旧オフィスの原状回復など、時間のかかる工程が複数あります。規模や工事内容によっては、半年では余裕がなく、1年以上前から準備した方が進めやすい場合もあります。

移転日だけを先に決めるのではなく、現オフィスの契約終了日・解約予告期限・新オフィスの利用開始日・工事可能日・回線開通日・旧オフィスの明け渡し日を並べて、後ろから逆算することが重要です。

オフィス移転で必要になる作業全体を先に確認したい場合は、オフィス移転でやることのチェックリストもあわせて確認してください。

目次

オフィス移転は何ヶ月前から始める?

移転規模や新オフィスの工事量によって必要期間は変わります。目安としては、次のように考えるとスケジュールを組みやすくなります。

移転条件 検討を始めたい時期の目安 時間がかかりやすい工程
小規模・工事が少ない 6〜9か月前程度から検討 物件、解約予告、回線、引越し
一般的なオフィス移転 9〜12か月前程度から検討 物件選定、内装、IT、家具、旧オフィス退去
大規模・工事や社内調整が多い 12か月以上前から検討 要件整理、物件選定、設計、B工事、社内承認、IT

これは固定の期限ではありません。小規模でも希望エリアの物件が少ない、特殊な通信設備が必要、現オフィスの解約予告期間が長いといった条件があれば、早めに動く必要があります。

逆に、すでに移転先が決まっており、内装工事も少なく、通信設備も整っている場合は、比較的短い期間で進められることもあります。

スケジュールを作る前に5つの日付を確認する

月別の予定を作る前に、基準となる日付を決めます。

1つ目は、新オフィスで業務を開始したい日です。 引越し日と営業開始日を同日にするとトラブル時の余裕がなくなるため、IT確認や家具配置を含めた準備日も考えておきます。

2つ目は、現オフィスの契約終了日・明け渡し日です。 引越しが終わっても、原状回復工事や貸主側の確認が残る場合があります。

3つ目は、解約予告期限です。 「6か月前」と決めつけず、現在の賃貸借契約書を確認してください。詳しくはオフィスの解約予告は何か月前かで整理しています。

4つ目は、新オフィスの引渡し日と工事可能日です。 契約開始日と、内装工事を実際に始められる日が同じとは限りません。ビル側の工事区分や申請も確認します。

5つ目は、インターネット・電話などの開通予定日です。 回線は建物への引き込み状況や工事枠によって時間がかかる場合があります。物件が決まってから後回しにせず、早い段階で確認しておく方が安全です。

12〜9か月前|移転の目的と条件を固める

余裕を持って進められる場合、この時期に移転プロジェクトを始めます。

現オフィスの課題、必要面積、予算、希望エリア、必要設備、社員数、出社率などを整理します。単に「広いオフィスへ移る」「家賃を下げる」ではなく、移転後に何を改善したいのかを決めておくと、物件選びやレイアウトの判断が早くなります。

同時に現オフィスの契約書を確認し、解約予告、中途解約、原状回復、指定業者、敷金・保証金などの条件を把握します。

この段階で概算予算も作っておきます。新オフィス側の初期費用だけでなく、引越し、内装、家具、IT、旧オフィスの原状回復、二重賃料なども含めて考えます。費用全体はオフィス移転費用で確認できます。

8〜6か月前|物件選定と解約判断を進める

候補物件を比較し、契約条件、入居可能日、工事条件、電気容量、空調、通信回線、搬出入条件などを確認します。

この時期に特に注意したいのが、現オフィスの解約通知をいつ出すかです。

解約を早く出せば二重賃料を短くできる可能性がありますが、新オフィスが確定していない状態で通知すると、物件選定が遅れたときに移転期限だけが先に決まってしまいます。

一方、新オフィスが完全に決まるまで解約通知を待つと、新旧オフィスの契約が長く重なる場合があります。

「二重賃料をゼロにする」ことだけを目標にせず、業務継続、新オフィスの工事期間、旧オフィスの原状回復期間を含めて判断します。

5〜4か月前|レイアウト・内装・B工事・ITを具体化する

新オフィスが決まったら、レイアウトと設備計画を具体化します。

席数、会議室、収納、電源、LAN、Wi-Fi、電話、複合機、防犯、入退室管理、空調などを整理し、工事区分を確認します。ビルによっては、借主が自由に業者を選べないB工事が含まれることがあります。

B工事の範囲や費用負担を確認する場合は、オフィスのB工事も参照してください。

旧オフィス側では、原状回復範囲の確認と見積取得を進めます。原状回復を退去直前まで放置すると、工期不足や追加工事が発生した際に明け渡しへ影響しやすくなります。

オフィス原状回復の費用オフィス原状回復の見積を早めに確認しておくと、移転予算にも反映しやすくなります。

3〜2か月前|業者発注と移転実務を固める

この時期になると、検討よりも発注と実行管理が中心になります。

引越し業者、内装工事、家具、OA機器、電話、ネット回線、セキュリティなどの手配を固めます。インターネット回線は建物の設備状況によって工事に時間がかかることがあるため、物件決定後できるだけ早く利用可否と開通日を確認しておきます。

不要になるデスク、チェア、キャビネット、複合機なども、この時期までに「移設する・売却する・処分する」を分けておきます。処分直前になってから買取査定を依頼すると、搬出日との調整が難しくなることがあります。

社内では部署ごとの移転責任者、荷物のラベルルール、移転当日の出社方法、PC・重要書類の扱いなどを決めます。

1か月前|当日の動きと業務再開条件を確定する

移転直前は、新しい作業を増やすより「未確定事項をなくす」ことが重要です。

新オフィスの内装・電気・LAN・電話・家具配置について完成予定日を確認し、引越し当日の搬出入経路、エレベーター、養生、入館手続きも確定します。

取引先、顧客、金融機関、各種サービスへの住所変更も準備します。必要な届出は業種・法人形態によって異なるため、オフィス移転の住所変更・届出と照らし合わせて整理します。

旧オフィスについては、引越し後すぐに原状回復へ入るのか、工事を一部並行させるのかを確定します。

1週間前〜移転当日|「翌営業日に仕事ができるか」を基準に確認する

引越し作業そのものが完了しても、翌営業日に業務を開始できなければ移転完了とはいえません。

PC、インターネット、電話、複合機、共有サーバー、クラウド認証、入退室、会議室設備など、業務開始に必要な環境を確認します。

移転当日は旧オフィスの搬出責任者と新オフィスの搬入責任者を分けると、現場判断がしやすくなります。搬出漏れ、破損、搬入先間違いなども当日のうちに記録します。

移転後|旧オフィスの原状回復と明け渡しまで管理する

新オフィスで業務が始まっても、旧オフィスの契約が残っている場合はプロジェクトは終わっていません。

原状回復工事、完了確認、指摘箇所の是正、残置物確認、鍵や入館カードの返却、貸主との明け渡しまで終えて、旧オフィス側の退去が完了します。

旧オフィスの退去だけを詳しく確認したい場合は、オフィス・事務所退去の手順・チェックリストを参照してください。

オフィス移転で遅れやすい5つの工程

移転スケジュールでは、すべてのタスクを同じ重要度で管理する必要はありません。遅れると移転日そのものへ影響しやすい工程を優先します。

  • 現オフィスの解約予告:契約上の期限を過ぎると、希望日に契約終了できない可能性があります。
  • 物件選定と新規契約:候補物件が少ない条件では、物件探しが長期化します。
  • 内装・B工事:設計、見積、承認、発注、施工の順に時間が必要です。
  • インターネット・電話:建物への引き込みや工事予約によって開通まで時間がかかることがあります。
  • 旧オフィスの原状回復:工事後の確認や是正期間まで含めて明け渡し期限から逆算する必要があります。

移転まで6か月を切っている場合の進め方

6か月を切っているからといって、必ず移転できないわけではありません。ただし、順番に一つずつ進める余裕は少なくなります。

まず現オフィスの契約書を確認し、解約可能日と明け渡し条件を確定します。同時に新オフィスの候補選定、内装条件、通信回線を並行して確認します。

そのうえで、「移転日までに必ず終わらなければならない工程」と「移転後でも処理できる工程」を分けます。

家具や什器についても、すべて新品へ入れ替える前に既存品の再利用、買取、処分を分類しておくと、発注量と搬出作業を減らせる場合があります。

ただし、日程短縮のために原状回復範囲の確認や必要な工事を省くのは適切ではありません。契約・ビルルール・法令上必要な工程は残したうえで、意思決定と業者間調整を並行化します。

スケジュールは「移転日」ではなく「明け渡し完了」まで作る

オフィス移転のスケジュールで起きやすい失敗は、引越し日をゴールにしてしまうことです。

実際には、新オフィスではIT・設備の稼働確認があり、旧オフィスでは原状回復・是正・明け渡しが残ります。さらに住所変更や各種届出も必要です。

そのため、スケジュール表は「移転当日」ではなく「新オフィスの安定稼働と旧オフィスの明け渡し完了」まで作っておく方が管理しやすくなります。

オフィス移転スケジュールのよくある質問

オフィス移転は6か月前から始めれば間に合いますか?

物件が比較的早く決まり、工事が少ない案件では進められることもあります。ただし、解約予告、物件選定、社内承認、内装・B工事、通信回線などの条件によって必要期間は変わります。大規模・複雑な移転では1年以上を想定した方がよい場合があります。

最初に新オフィスを探せばよいですか?

物件探しと並行して、現オフィスの契約条件を確認してください。解約予告期間と原状回復条件が分からないまま新オフィスの日程だけ決めると、新旧契約の重複や明け渡し工程に無理が生じることがあります。

インターネット回線はいつ手配しますか?

新オフィスの候補または物件が決まった段階で、利用可能な回線と工事の必要性を確認します。回線や建物条件によっては開通まで時間がかかるため、移転直前まで待たない方が安全です。

原状回復は引越し後から始めても大丈夫ですか?

契約終了日までに工事・確認・必要な是正を終えられる工程が確保できるなら、引越し後に施工する方法もあります。工事範囲や貸主確認のタイミングは物件ごとに異なるため、先に貸主・管理会社と確認します。

二重賃料はなくせますか?

新旧オフィスの日程を調整することで短くできる可能性はありますが、ゼロにできるとは限りません。新オフィスの工事や回線確認、旧オフィスの原状回復に必要な期間まで削ると、業務停止や明け渡し遅延のリスクが高まります。

移転日から逆算して、遅らせられない工程から決める

オフィス移転では、すべてを同じタイミングで決める必要はありません。

解約予告、新オフィス契約、内装・B工事、通信回線、引越し、原状回復など、後から短縮しにくい工程を先に押さえ、それ以外をその間に配置していくとスケジュールを組みやすくなります。

移転と旧オフィス退去を同時に整理したい場合は、オフィス移転の全体チェックリストオフィス退去のチェックリストをあわせて確認してください。

物件・工事・原状回復・移転日の関係が複雑で、自社だけでは工程を組みにくい場合は、お問い合わせから相談できます。

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